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パモン
2024年7月12日 20:28
僕たちは、ようやく不夜城のように輝く、ガラスの塔の下へやってきた。腕時計を見ると、午後8時50分。早ければ、そろそろ大人たちが広場から帰ってくる頃だ。急がねばー。僕とユーリ―は、緊張した面持ちで、互いに顔を見合わせると、大きくうなづいた。入口にある監視室の窓口へ行くと、警備員のゲオルギーが虚ろな目で、モニターを眺めていた。彼は三十代半ばの小柄な男で、テーブルには、飲み掛けの
2024年7月12日 16:34
開け放した子供部屋の窓から、遠くの方で、チカッ、チカッと二度明かりがともった。「ユーリ―だ!」