パーパパパ|難聴児パパ

3歳の難聴児の父親です。子供が大きくなったときに聴覚障害・難聴について理解のある人を1…

パーパパパ|難聴児パパ

3歳の難聴児の父親です。子供が大きくなったときに聴覚障害・難聴について理解のある人を1人でも多く増やすべくnoteを始めました。父親から見た難聴児の子育てや、勘違いしがちな聴覚障害に関する知識を書いています。

最近の記事

第1子に障害があった場合、第2子にも遺伝する確率

第1子に障害があった場合、第2子をもうけることに躊躇してしまうことがあると思います。 結局は確率ですが、あまり低い確率を重く捉えるのも賢明とは言えません。 一度、いろんなパターンでの確率をざっくり見ていきたいと思います。 ウイルスや細菌の感染が原因だった場合 →遺伝しません アルコール・薬剤・放射線などが原因だった場合 →遺伝しません 出産時のトラブルが原因だった場合 →遺伝しません 染色体異常が原因だった場合 →遺伝しません はい、ここまでは遺伝しないパタ

    • 難聴と自閉スペクトラム症(ASD)の共通点

      世の中にはいろいろな障害を持つ人がいます。 より理解を広めていくためには障害に関わる人が別の障害を理解していくということも必要と思っています。 その中でもASDと難聴(※1)の間には似た特徴があります。 世間ではあまり語られていない部分ですが、今日はそのことについて触れてみたいと思います。 共通点を知ることで以下のようなメリットがあると考えます。 ・難聴と思っていたけどASD、ASDと思っていたけど難聴ということをなくす ・似た問題を抱えているのでお互いに対処方法を学ぶ ・

      • 療育という名の裏通りを歩く

        幼児教育の場として保育園・幼稚園が大通りなら、療育というのは裏通りです。 日本は先進国であり、その日本で受ける療育というものは漠然と『良いもの』というイメージがあると思います。 しかしその感覚は大通りのものであり、裏通りを歩くならそれなりの心構えが必要です。 ここでは療育を受ける上で注意するべきことをいくつかあげたいと思います。 ①療育は発展段階である大前提として療育の世界は発展段階です。 保育園・幼稚園ですら悲しい事故や事件がある社会ですから、 療育の世界ももちろん完璧と

        • 難聴児が生まれてから3年間に起こったこと

          難聴児の90%は健聴の親から生まれます。 そうすると親として全く知らない世界に飛び込むということになり、通常の子育ての大変さもプラスされ不安になることがあります。 今回は少しでも新しい家族の参考になればと思い、我が家が体験したことをざっくり書いていきたいと思います。 【始まり】新生児聴覚スクリーニング検査に引っかかる新生児聴覚スクリーニング検査を受ける場合は生後2〜3日の間に実施されるようです。うちの場合は1度目で引っかかり、さらに再検査でも引っかかりましたので病院を退院後

        第1子に障害があった場合、第2子にも遺伝する確率

          補聴器がメガネになる日まで

          補聴器とメガネというのは同じような立ち位置の道具ですが、社会的な地位は天と地ほどの差があります。 触れちゃいけない感の空気を醸し出される補聴器に対してメガネさんはなんと萌え要素にもなっております。 難聴児の親としては悔しくて仕方ありません。 なぜこんなことになっているのかちょっと考えてみたいと思います。 見かける頻度まずは補聴器です。 日本で補聴器は使っている人は1.5%ほどになるようです。 次にメガネです。 メガネは57%だそうです。 メガネ57%に対して補聴器1.5

          補聴器がメガネになる日まで

          とある難聴の少女の行動に感銘を受けた話

          3年前から難聴児の親を始めた私ですがこの3年間に考えを改める体験をいくつかしました。 もともと差別的な考えがあるわけではなかったですし子供の難聴に対しても前向きに捉えていましたが、どこかで"ハンディがあるので優しくしないといけない存在"というなんとなく上から目線だったような気がします。 今回はその間違いに気付いたある難聴の女の子との出会いを書きたいと思います。 ちょっと分かりづらいので絵付きです。 ①公園の滑り台に並ぶ女の子と息子ある日公園で遊んでいたのですが、滑り台(普通

          とある難聴の少女の行動に感銘を受けた話

          「silent」シーズン2はバトルロワイアルものを希望します

          「今日は聴覚障害の皆さんにちょっと殺し合いをしてもらいます」 眠りから覚めた佐倉想は聴覚障害者が教室に集められていることに気付く。 キタノという男から殺し合いをするように言われ戸惑う想だが、その教室にはなぜか青羽紬の姿もあり- ドラマ「silent」の感想でたまに見られたのが「恋愛もの以外も見てみたい」という意見です。 補聴器がメガネのような存在になることを目指している私も全くの同意見です。 障害者が弱いもの、障害が苦しいもの、そういう描き方をする作品も良いと思います。 た

          「silent」シーズン2はバトルロワイアルものを希望します

          難聴児はあなたより耳がいい

          難聴児はあなたよりも耳がいい可能性があります。 健聴の人にこう言ったとすると「いやいやそんなわけないだろう。イヤモールド の耳垢が取れにく過ぎて頭おかしくなったんか?」と返されそうですが、本気で言っております。 そもそも音の世界というのは非常に曖昧なものです。 姿形がなくてすぐに消えてしまう。 健聴者もよくわかっていません。 それでも難聴の人よりは耳が確実に良いでしょうか? メガネをかけていてもわからない目の能力 (あなたがメガネをかけていないとして) 初対面のメガネの

          難聴児はあなたより耳がいい

          優生思想から見ても顕性遺伝の難聴が存在しても良いわけ

          顕性(優性)遺伝とは親から子に50%の確率で特性が伝わる遺伝形式です。 そして優生思想は『より優秀な遺伝子を後世に残す』という考え方です。 そうすると顕性遺伝の障害というのは優生思想の人から見ると一番に排除したいものになりそうですが、いくつかの理由で優生思想的に考えたとしても大きな問題にはなりません。 今回はその理由を考えていきたいと思います。 他の遺伝形式に関しては以下の記事で触れています。 1.難聴の中では少数派に過ぎない そもそも難聴の中で顕性遺伝というのは多くを

          優生思想から見ても顕性遺伝の難聴が存在しても良いわけ

          「silent」佐倉想と青羽紬の子供は聴覚障害になるか

          第9話で遺伝の問題がクローズアップされたが、想が紬に対して一歩踏み込めない理由にも遺伝の問題があった。 最終話で無事結ばれた2人だったが、このあと2人に子供が出来た場合、聴覚障害になる可能性はどれくらいあるのだろうか。 顕性遺伝ではない想の障害が「若年発症型両側性感音難聴」という遺伝性の病気であることがわかっている。 遺伝することがわかったら次はどういう遺伝形式なのかが気になるところである。 「若年発症型両側性感音難聴」というのは、 という病気であり、想の親に難聴が出てい

          「silent」佐倉想と青羽紬の子供は聴覚障害になるか

          障害者を差別してはいけない5つの理由

          いつもは難聴のことを書いていますが今日は私なりに思う「障害者を差別してはいけない理由」というのを書いてみようと思います。 科学が発展したから呪いやたたりだと思われていた時代に差別があるのは仕方ありません。 でも現在では科学が発展し多くの障害の原因がわかってきています。 妊娠児のウイルス感染や、発生時の染色体の異常、様々な遺伝、それらを知ってみると自分にも起こる可能性があったことがわかります。 呪いやたたりでしたら本人が悪いことをした結果起こることなので、それを叩く人もなんと

          障害者を差別してはいけない5つの理由

          補聴器とメガネの違い

          補聴器のことを「耳につけるメガネみたいなもの~」と説明することがあると思います。 「じゃあ補聴器つけてたら普通に聞こえるの」 「普通には聞こえません。音は小さいし歪んでいるかも知れません」 いや、どないやねんと。言われても仕方がない。 わかりにくい。理解を得にくい部分です。 メガネと補聴器は直しているものが違う 目は光を感じる器官で、耳は音を感じる器官です。 で、メガネは歪みを補正して、ピントがちゃんと合うことで、見えるようになります。 別に光を増幅してるわけではない

          補聴器とメガネの違い

          子どもの難聴に泣く親と差別

          日本でひどい差別に合うということはそこまでないと思います。 わざわざ追いかけてきて罵倒されたり、石を投げられたりするわけではないですし。 そういう意味ではホントいい国ですよね。 一方で漠然とした差別意識というのは根深いような気がするんですが、 この障害に対する差別はどこから来ているんでしょうか。 人間はよく知らないものは怖い 差別の根底にこれがあると思うんですけど、 仮にある障害を悪く言う人がいたとして、 その人がその障害の『症状・治療法・原因』をよく知っているなんてこと

          子どもの難聴に泣く親と差別

          全国1万人の難聴児パパへ

          はじめまして。 自分も同じ境遇の難聴児を育てるパパです。 これから難聴と障害、そして差別について書いていきたいと思っています。 息子が生まれたとき、難聴のこと障害のことが何もわからない状態でした。 それから3年経ち、いろいろなことがわかるにつれて周りの人に理解してほしいと思うようになってきました。 しかし3年前は自分もまったく知らなかったことですし、 広く一般の方に理解してもらうというのも難しいと思っています。 差別というのは本能的なものですから、理解を求めるには多少理屈

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