療育という名の裏通りを歩く
幼児教育の場として保育園・幼稚園が大通りなら、療育というのは裏通りです。
日本は先進国であり、その日本で受ける療育というものは漠然と『良いもの』というイメージがあると思います。
しかしその感覚は大通りのものであり、裏通りを歩くならそれなりの心構えが必要です。
ここでは療育を受ける上で注意するべきことをいくつかあげたいと思います。
①療育は発展段階である
大前提として療育の世界は発展段階です。
保育園・幼稚園ですら悲しい事故や事件がある社会ですから、
療育の世界ももちろん完璧とはいきません。
優生保護法が1996年まであった国だからという言い方をしてもいいかも知れません。
いい点もあれば悪い点もありますが、それでも10年前より良くなっているはずです。
とにかく療育は完成されたものではないという前提で見るべきと思います。
②子育ての考えが急激に変化している
療育というのは障害のことも扱いますが、あくまで普通の子育てがベースにあります。
その子育ての常識は親世代とおじいちゃんおばあちゃん世代で全く変わってきています。
療育におられる先生は障害については経験豊富なのはまず間違いありませんし、障害についての対応は先生間で統一された意識があるように思います。
しかしそれ以外の普通の子育て論がどこまでアップデートされているかは人によって違います。
時代遅れな考えというものに触れることがあるかも知れません。
③先生の流動性が低い
特定の障害の専門家となると働く場所はある程度限られてきます。
そうすると自然にその学校のベテラン先生がよく存在することになります。
これは①にとってはプラスかも知れませんが②とってはマイナスです。
若い先生というのは経験がまだ少ないかも知れませんが、最新の知識を入れるという意味では不可欠な存在です。
もし出会えたら大事にしましょう。
④子供によって障害の程度も個性も違う
療育というのは障害に関することを扱いますが、障害というのはそれぞれの個性とも深く関係してきます。
もちろん先生方もそこを見た上で話してくれますが、療育に行く回数が少ないほどそれが難しくなってきます。
どこまでが障害でどこまでが個性か。
これは非常に難しい問題ですが親しか見ることが出来ません。
自分の子供のことをわかってあげられるのは結局親ということは療育を受けていても変わりません。
⑤各専門家の意見が違う
例えば病院の先生・言語聴覚士の先生・療育の先生といて、それぞれその道のプロなわけですが必ずしも言っていることが同じわけではありません。
みんな別の立場で現時点の正解を教えてくれるわけですが、それをどう考えるのかは親次第です。
しかし肝心の親というのは全くの素人です。
素人のままだとコーチ陣の意見も訳が分かりませんから、親もある程度勉強していかないといけないんですよね。
親の努力も必要になってきます。
まとめ
構造的にこのようなことが起きがちだと思います。
それをカバーするのが親とも言えますが、そもそも家族の問題を手伝ってもらっているだけという認識をする方が正解なのでしょう。
療育がないとそれこそ路頭に迷うことになりますから、当たり前に受けられる現状に感謝したいですね。
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