嵐の中の宮古島旅行②落ち込む私達をいやす、やさしい味
宮古島に行ってきました。
台風シーズンを外したつもりが見事にやられ、滞在3日間ほぼ嵐。
3年越しの念願だったのですが、晴れ間はおろか、太陽の姿を見ることすらありませんでした。
そんなあいにくの状況の中でも、たっぷり満喫できた宮古島の旅のことを、何回かに分けて書いています。
前回は、出会った草木やお花たちについてでした。
今回は、おいしかった食べ物にしぼってみます。
そして、心ないクチコミを書く人にひとこと。
心もお腹も満たされた宮古そば
最初に食べたのは「宮古そば」です。
宮古島に着いたらまず一番最初に、伊良部大橋を渡って伊良部島に向かう予定でした。でも、大雨で橋に通じる道路が冠水していて、行くのは難しそう・・・。
レンタカー屋さんからは「冠水したところを無理に入ったら、保険はおりません」と言われています。
天気予報では終日雨が強いようで、見知らぬ街をあちこち動くのは危険と判断。初日は行動を宮古市周辺にしぼることにしました。
2日目、せめて3日目には、雨がやむことを祈って・・・。
そこで向かったのが、空港から近くにある宮古そば屋
「古謝そば」さん。
「宮古そばといえば古謝そば」
と言われている、創業80年以上の老舗です。
お店には、並んでいる人がたくさんいました。
でも、視界が悪い中うろちょろするのは危険だし、また冠水で自由に移動ができないので、おとなしくここで待つことにしました。
待っている間も、次々と人がやってきます。
レンタカーもいれば、地元とおぼしき人も。
人気店なんですね。
さほど時間がかからずお店に入ることができました。
店内に一歩入ると、ほのかな魚の香りがただよっています。
これは楽しみだ。
迷わず宮古そばを注文します。
お腹が空いていたため、
豚の炊き込みご飯「ジューシー」セットで。
いい香りに包まれた狂おしい時間を乗り越え、いざ実食。
麺は太めのストレート。
スープは透明。
具はソーキとかまぼこ。
スープをひとくち。
やさしい~!
豚骨がベースなのでしょうが、かつおの風味がする。
これがやさしさを生んでいるのか。
麺は、ラーメンとも、そばうどんとも違う。
固くなく、柔らかすぎることもなく、ほどよい歯ごたえ。
スープがからんでおいしい。
ときどきソーキを口に入れる。ほろほろ甘い。
かまぼこも柔らかくてあっさりした甘さ。
ひたすらやさしい。
「ジューシー」も、脂っこくなく臭みもなく、とても食べやすい。
これもやさしい味だなぁ。
あっという間に平らげてしまいました。
悪天候で打ちひしがれた心と
4時間のフライトで疲れた身体を
やさしく包んでくれる。
そして空腹にじんわり染み渡り
しっかり満たしてくれる。
いや~
これはおいしい。
お腹もいっぱい
もし雨が収まることなく、あちこち行けなくなるようなことになったら、また来よう。
たびのホテル3つのトッピングメニュー
泊まった宿はこちら
「たびのホテルlit宮古島」さん。
いわゆるリゾートホテルではなく一般的なホテルですが、色づかいが素敵で、スタッフの方もとても親切な、とてもすごしやすいホテルでした。メインストリートの「西里通り」沿いで立地がよく、観光に便利。
ラウンジに用意されている無料の「さんぴん茶」も、何気にうれしいサービスです。
そして何よりも、朝食が素晴らしかった。
ビュッフェ形式で、ふたつの名物コーナーがあるんです。
ひとつは
「みそ汁トッピング」
具と味噌が選べます。
具には、とうふ(2種類あったはず)、もずく、厚揚げ、根菜いくつか、ほか島野菜いろいろ。
味噌は、赤、白、合わせの3種。「宮古味噌」をはじめとした地域のお味噌です。
うますぎる。
特にとうふがよかった。宮古島のとうふ、おいしい。
そして、もずくって味噌汁に合うんだ。
普通のお椀だけでなく、どんぶりも用意されていました。
使いたくなる人の気持ち、わかります。
それを分かって用意してくれるホテル、さすが。
もうひとつのコーナーは
「ごはんのお供トッピング」
そんな名前はついていませんでしたが、そう呼びたくなる充実ぶりでした。
ご飯は、白米か「ジューシー」。
お供として、温泉卵にかつお醤油、かつおぶし、味噌、つぼ漬、梅干し、ふりかけなどが用意されていて、いろんな楽しみ方ができるのです。
おかわりせずにはいられません。
今日1日、これから色々なものを食べるつもりなのに、つい食べ過ぎてしまう。
困ったものです。
さらに「たびのホテルlit宮古島」さんには、
「夜のお茶漬けサービス」
があるんです。
よる9時半から11時限定。
夕食を早めにとった後、ちょっと小腹がすく時間帯の、うれしいサービスです。
こちらも、具をトッピングで選ぶことができます。
地元の味噌やあおさ、つぼ漬、かつお節のほか、のり、梅、わさび、しょうが、などなど。
かつおのお出汁がやさしい。
思わず食べ過ぎてしまう。
そして写真は撮り忘れてしまう。
ここでも印象深かったのは、
かつおの風味でした。
ぶりぶりのかつお
順序は入れ替わってしまいましたが、
2日目の夜。
目をつけていたお魚メインのお店に行ってみると
「予約のみ」
とのこと。
あらかじめ予定を立てない私にとって最も恐れていた事態ですが、しかたない。
気を取り直し、さっき通りかかって気になったお店
「南楽」さん
に行ってみることに。
店内はテーブル席6組ほどで、奥にも座敷があるようです。
1席だけ空いていて、かろうじて入ることができました。
よく見ると有名人のサインがたくさん。
有名店だったのかな?
メニューは、地元の食材を使った料理ばかり。
そのとき仕入れたものからメニューを立てて、黒板に手書きしている感じ。
やった。こういうのですよ。
いくつか注文した料理はどれもおいしかったのですが、何と言っても衝撃だったのが「かつおのたたき」。
「ぷりぷり」を通り過ぎて
「ぶりぶり」でした。
「かつおが名産」とは聞いていたものの、他でも食べれるんじゃないの?と少々タカをくくっていたのですが・・・
ごめんなさい。
宮古島のかつお、最高です。
こちらの
「島野菜の白和え」も
かつおの風味がしました。
いたるところにかつおあり。
なお、写真の左に映っているのは
「海ぶどう」です。
これまた食べるのに夢中で撮り忘れていて、かろうじて残っていた最後の一本でした。
(余談)心ないクチコミに、ひとこと
ちなみに「南楽」さん、おそらく店主であろう厨房の男性とホールの女性、ふたりでお店を回していたのですが、料理が出てくるのが早い!
ホールの女性は最初あまり愛想がよいとは言えない感じだったのですが、いっぺんに何組から呼ばれても冷静にてきぱきと、漏れも間違いもなくスムーズに、ていねいに対応してくれます。
これは、お店の仕事で大事な「手ぶらで帰らない」ことと「目配り」を欠かさずやっているから可能なこと。
注文の品を運んだりオーダーをきくために店内を歩く際、通りかかったテーブルに空いた器があったら必ず回収しながら、常に客の様子を気にしているのです。
お礼を言うと、目を合わせて笑顔で返してくれました。
決して愛想が悪いとかではない。長時間に渡ってホールをひとりで回すという大変な中でも、ペースが乱れてミスをしないようにしつつ、最善を尽くしてくれていることが伝わってきます。
なぜこんなことを書いたかというと、あとで「Gooleマップ」をのぞいたところ
ちょっと心ないクチコミ
がちらほら見受けられたからです。それも旅行客とおぼしき人たちの。
この人たちにひとこと。
あなたたち、
どれだけ手厚くもてなおしてもらえば満足するの?と。
いつ何時も、どんな状況であろうと、
さぞかし素晴らしい仕事をしている方なのでしょうね。
何か書くのなら、モノ申したいのなら、観察が足りないんじゃないかなぁ。
それとも、日常で満たされていない思いをぶつけているのか。
そんなことをするより、
豊かでやさしい味を楽しもうよ。
そういうので心を満たそうよ。
港町にただようかつおの香り
最終日、雨が小降りになりました。
天気予報を見ると、午前中は雨が弱そう。
いざ、念願の伊良部島へ。
東側の「佐良浜港」という、
かつお漁で名の通った漁港へ向かいます。
ところが、妻が事前に調べていた漁港にある食堂が何と
「団体予約で貸切」
またフラれた・・・。
でもすぐ気を取り直して、近くの食堂に入りました。
ここでもかつおのたたきをいただくことに。
添えられていたフレークもおいしかった。
かつお、おいしいな。
近くにかつおの加工場があるというので、あたりを散策しながら歩いていると、かつおの香りがただよってくるではありませんか。
だんだん香りが強くなってきて、たどり着いたのがこちら
「友利かつお加工場」さん
かつおの加工品がたくさん販売されています。
「なまり節」の加工の様子を見学できるそうです。
店内の掲示を見ると、かつては1千万円稼いだ漁師さんもいた、とのこと。
「なまり節」に加えて、ホテルでたくさん味わった「かつお味噌」と、さっき食べた「かつおフレーク」、そして食べ切りサイズの味噌汁の素を買いました。
帰ってからも再度おいしく味わうのが、旅行の楽しみのひとつです。
雪塩ソフト秘密のトッピングが脳天を突き抜ける
最後に、かつお以外の食べ物も。
また順序が前後しますが、2日目の午前、まだ雨も風も強い中、北部にある
「雪塩ミュージアム」
に行きました。
おめあては
「雪塩ソフトクリーム」
島に川がないため元々きれいな海水が、サンゴ礁からできた石灰岩でさらに濾過され、その石灰岩に含まれた成分もそのまま活かした、唯一無二の「雪塩」。
つくられる過程と、身体にやさしいことを知った上で、食べる。
なんとまぁ、うまいこと。
あまじょっぱい、とはちょっと違う。
甘い中に感じる、ほのかな塩の風味。
ほんのりしょっぱく、でもあまい。
飲食コーナーのレジに、
雪塩を使ったフィナンシェ風の洋菓子「ふぃなん」をつけるとおいしい
とありました。
ホテルに続くトッピング攻撃。
試してみると・・・
たまらん。
脳天を何かが突き抜ける。
そしてあごの付け根あたりがじわーっとなる。
食べかけと空の包装袋でごめんなさい。
なお上部に映っているのは、テーブルに用意されていた味変用の塩です。
売店には、ほかにもたくさんの「ブレンド塩」が販売されていました。
ハイビスカス、シークワサーといった名産の他に、さまざまな料理に合わせて作られた塩も。
ゆで卵、おにぎり、サラダ、さしみ、ステーキ、ガーリックトースト・・・いろいろありましたが、私は「ごはん」にかける用の塩を買って帰りました。
帰ってすぐ使ってみたところ、これはヤバいやつです。食べ過ぎてしまいます。
このお店で妻は、おみやげに「雪塩オールスター」を揃えていました。「つめあわせ」を作るそうです。
。.:・°+.。.:・°+.。.:・°+.。.:・°
ということで、今回宮古島で味わうことのできた、おいしい食べ物たちでした。
どれもやさしかった。
ひたすらやさしい宮古島の味は、
悪天候で落ち込んでいた私たちの身も心も癒し、満たしてくれたのでした。
次回は、激しい雨と風の中でも
素敵な姿を見せてくれた風景を。
おまけ
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