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【読書】阿川佐和子さんの語りがおもしろい!/『母の味、だいたい伝授』
今年というか、ここ数年の毎年の目標に
【自炊】というのがあるのだが、
全然身についていない。
身についていないからこそ、毎年そんな目標を立ててしまっているのか。
そんな折、
YouTubeチャンネル「出版区」にて、フリーアナウンサー・登坂淳一さんが、料理家さんのエッセイを読んで励みにするみたいなことを仰っていた気がして、レシピ本に手は出すが、私自身はそういう本には手を出していなかったので、せっかくだからと食のエッセイに手を伸ばす。
それが、阿川佐和子さんの『母の味、だいたい伝授』である。
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そもそも私が食している味は生まれてこの方「母の味」なので、レシピ本で料理家さんの考えたものより、母から教えてもらうべきなのではないかと思っていたなかで、
惹かれたタイトルである。
しかし、読んでみると伝授される家族の味もあれば、そうではないお食事やお料理にまつわるエピソードが快活かつ豪快な人柄で楽しく書かれていたり、しんみりとも書かれていたり、でも、最後は結局顔が綻んでしまうお話が収録されている。
作中、著名人や文化人の名がエピソードに登場するので、この人はきっと文化人の娘さんなんだと思い、母に聞くと、「あの人だよ」とスマホで著者の画像を見て納得。ああ、あの人か。テレビにも出まくっているし、現役だし、そりゃ文化人だわ。文化人は文化人として、代々続くものなのだなと、ため息。
特に面白いのは、漬物のお話とお父さんとのエピソード!
別にこの本に限らずで、著者は色々なところで父と子のエピソードを残しているそうなので、他の作品もまた手に取ってみたい。