![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/92423965/rectangle_large_type_2_a08cd644161a9944660a5a1a8354b7fb.png?width=1200)
季節によって働き先を変える「複業」をして、漁師を目指す決意ができた。
今、地方においてそれぞれの地域の特色を活かした「複業」「多拠点居住」という新しい働き方が増えてきています。
隠岐諸島でも「地域におけるマルチワーク」つまり「複業」推進の動きは加速しており、現在隠岐4島それぞれに地域づくり事業協同組合組織が設立されています。
そこで、2022年12月11日(日)に、一般社団法人 離島百貨店オフィス内(東京都千代田区 永田町グラスゲート5階)で、多拠点生活や新しい働き方を探る『離島の地域複業・就職フェア』を開催することになりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1669918725925-2u0nKGG3Be.png?width=1200)
このイベントを開催するにあたって、「複業」をもっと知っていただくために、現在海士町複業協同組合で働いている藤原さんと、9月で複業組合から島の漁師に転職した浜口夏生さんに、複業で働く魅力や複業による価値観の変化などについてインタビューを行いました。前編と後編に分けてお届けします。
前編は、2022年1月から9月の間、海士町複業協同組合で働いていた浜口夏生さんにお話を伺いました。
![](https://assets.st-note.com/img/1669919989854-WcCekwiBpL.png?width=1200)
浜口 夏生:
茨城県出身。音大を卒業後、ピアノ講師に。IT企業勤務も経験。
Youtubeで素潜り漁師の動画を見て衝動が抑えられなくなり、離島移住を決意。
2022年1月~9月の間海士町複業協同組合で働いたのち、漁業に関わる仕事に専念したいことから、複業協同組合を退職。現在は飯古建設の定置網事業部に就職している。
“ 離島 ”と” 漁師 ”に惹かれて
2022年の1月から海士町複業協同組合に勤めていましたが、組合職員として漁師の仕事を経験してから、より漁業に携わる仕事に専念したいと感じ、10月からは飯古建設の定置網事業部に就職しています。
海士町複業協同組合に就職したきっかけは、離島で暮らしている方のある動画を見て、“ 島暮らし ”と” 漁師 ”に惹かれたからでした。
前職は東京のIT企業でしたが、テレワークという働き方をしていたので、島暮らしに挑戦できるのは今なのではないかと思い、移住を考えるようになりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1669920253298-tPfbPEBFL0.png?width=1200)
調べていくうちに見つけたのが海士町複業協同組合。「未経験でも、女性でも漁師に挑戦できる。」との言葉に押され、すぐに応募しました。
「離島に行ってみたい」「漁師がやりたい」の2つを叶えられるのが海士町複業協同組合だったので、はじめは複業という働き方には正直着目していなかったんです。
ですが、複業という働き方をしたことで、改めて漁師になる!という自信になって新しいスタートを切ることができたので、複業協同組合を選択してよかったと思っています。
![](https://assets.st-note.com/img/1669920527116-YkHLQ2YHCF.png?width=1200)
漁をしたことも、移住したこともなかったけど、不安はありませんでした。海士町には2300人が住んでいて、日本語が通じて、複業協同組合職員もいる。必ずなんとかなる!と思っていたので、不安なく来ることができました。
▼海士町に移住されるまでの経緯はこちら
次の季節はどこで働こうか?
この9か月間は、計3か所の事業所で働きました。繁忙時期に合わせて、それぞれ必要な事業所に携わりました。
AMUWORK(海士町複業協同組合)は、「繁忙期の異なる島の様々な仕事を組み合わせ、時期に応じてはたらく場所を変えていく」という組織横断的な複業スタイルです。
AMU WORKER(組合員)は季節によってはたらき先を変えながら、島内の複数の生業に関わります。 この新たなはたらき方の中で「どの様に自分を生かしていくか」は、はたらく人それぞれに委ねられています。
私の場合、1月から5月までは、飯古建設の定置網事業部で漁師としての仕事を行っていました。早朝の6時半から仕事を開始し、昼ごろの13時半に終了
するといった、漁師らしい時間帯での勤務でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1669920743557-RtcnvSlu6k.png?width=1200)
朝早い分、昼過ぎに仕事が終わるという生活スタイルが気に入っていて、美味しいお魚が毎日食べられる充実した生活でした。
海士町の観光シーズンである7月から9月は、週3日間Entôのダイニングで食事の提供などを、週2日間は海士いわがき生産株式会社で岩ガキの養殖などを行いました。
浜口さんの2022年の事業所
1月~5月: 飯古建設の定置網事業部
6月: 飯古建設の事務仕事
7月〜9月: Entôのダイニング、海士いわがき生産株式会社
複業の魅力は架け橋になれること
四季ごとに変わる様々な業務に携わったことで、複業という働き方の魅力を大きく3つ感じました。
1つ目は、漁師やEntôダイニングなど、色々な立場から「海」に関わる仕事に携われたということです。
定置網事業部で漁をして、海士いわがき生産株式会社で海産物・かきが出荷されるまでの流れを知り、Entôダイニングでそれらの海産物を料理として提供する、といった海産物が流通する一連の流れをこの目で見れたのは、複業ならではの魅力だと感じています。
![](https://assets.st-note.com/img/1669928753407-HDt97EH2W9.png?width=1200)
2つ目は、様々な仕事を経験したことで、本当に自分がやりたいことが明確になったということです。
定置網から離れている期間も現場の方から仕事の話をたくさん聞き、「やはり私はこの人たちと一緒にここで働きたい!憧れの漁師になって100%の情熱を漁業に注ぎたい!」と転職を決意しました。
複業を通して定置網で働けたことで、本当に挑戦したいことは何だろうか。知るきっかけとなりました。
3つ目は、いくつかの事業所を渡って仕事を行うことで、事業所と事業所の架け橋となり、新しいつながり、新たな情報を提供できたということです。
例えば、Entôのダイニングで仕入れをする際に、今日獲れた魚はどんな種類なのか、旬は何なのか、定置網事業部での仕事を活かして漁獲情報を伝えることができる。
事業所を数か所めぐったことで、お互いに欲しい情報を共有できたり、事業所にあるつながりを生かして、役に立てる瞬間があることに、複業のやりがいを感じました。
![](https://assets.st-note.com/img/1669929195138-PCAJdVr9SE.png?width=1200)
複業だからこその悩み
一方で、未経験の人が数ヶ月働き手として事業所に入り、慣れたころに違う事業所へと離れてしまう。そんな働き方で自分が事業所の戦力になれているのか、という心配がありました。
漁師がしたい。その一心で海士町にやってきてので、もちろん仕事に全力でしたが、複業という事業所を転々とする働き方の関係で、学んでいる仕事・できる仕事がどうしても多くありません。
そんな自分が、事業所に対して役に立てているのか、悩む日もありましたが、とにかく全力でたくさんのことを吸収しようとしていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1669929128415-I9HMqbEjab.png?width=1200)
憧れの島暮らしは期待を越えていた
海士町で暮らして約1年。離島で暮らしてみて期待以上のことばかりでした。離島に住んだら、釣りも、魚突きも、船の免許も取得したい。そう考えていたことが全部叶いました。移住したいと思ってすぐに行動に移してよかったと感じています。
移住に対して不安を感じる人も中にはいるのかなと思います。
でも、そんなに気負わなく大丈夫だと思っていて、
実際、海士町や暮らしている地区、仕事場に移住者が多いこともあり、島外からきた人も馴染みやすい環境だなって感じます。
![](https://assets.st-note.com/img/1669929254775-fPx1BhHazB.png?width=1200)
東京に戻りたいと思うことはないくらい、島のお盆祭りに参加したくて帰省を諦めてしまうくらい、自分がここで暮らしていきたいと思う要素がたくさんあると感じています。
複業協同組合に興味がある方に伝えたいこと
複業協同組合の特徴は正規雇用であることだと思っています。若い世代の方だけでなく、家庭を持っている方にとっても、不安なく挑戦できるのではないでしょうか。
私自身、移住に対して「きっと何とかなる!」という精神で来ました(笑)そして、実際になんとかなりました。日本語も通じるし、買い物もオンラインでできるし、離島でも目に見える不自由さはありません。身構えずにぜひ挑戦してみてください!
![](https://assets.st-note.com/img/1669928677642-3qWEApPZbU.png?width=1200)
浜口さん、ありがとうございました。
複業という働き方により選択肢が広がる中で、新しく挑戦したい仕事に出会えたり、やはり叶えたい夢はこれだ!と確信できたり。複業で新しいスタートが切れるのではないかと思っています。みなさんに複業の魅力が伝わっていると幸いです。
多拠点生活や新しい働き方を探る『離島の地域複業・就職フェア』を開催します!
2022年12月11日(日)に、東京都にある一般社団法人 離島百貨店オフィス(永田町グラスゲート5階)にて、離島の新しい働き方についての講演会・トークセッションをで開催します。
![](https://assets.st-note.com/img/1669926541851-sfDwCGwLiD.png?width=1200)
「地域複業による地域経営とは?」など、複業に関するテーマにお答えしながら、実際に地域複業に挑戦している複業協同組合職員の島での暮らしや仕事についてのリアルな声をお届けする予定です。
島や地域での複業への挑戦はもちろん、移住・就職相談を通して有意義な情報交換の場となります。
みなさんのご参加お待ちしております!
『離島の地域複業・就職フェア』プログラム
◆第1部◆
14:00〜15:00 ①基調講演「地域複業推進による地域経営とは?」
15:00〜16:00 ②トークセッション「地域複業への挑戦がもたらす自身の価値観の変化とは?」
16:00〜17:00 ③ワークショップ「島 × 私のこれから挑戦したいコト」
◆第2部◆
17:30〜18:00 会場受付
18:00〜20:00 懇親会@離島キッチン日本橋店
イベント概要
開催日時:
12月11日(日) 第1部 14:00〜17:00 第2部 18:00〜20:00
開催会場:
第1部 永田町グラスゲート5階(一般社団法人 離島百貨店オフィス内)
第2部 離島キッチン日本橋店
参加費:
第1部 無料
第2部(懇親会) 5,000円(学生の場合3,000円)
募集人数:
50名
お申込み(事前申し込み制):
https://oki-fukugyo-fair1211.peatix.com
Peatixサイトにて参加チケット(無料)をご購入ください。