薄暮の街へたどりつき
大手町から神保町まで歩こうと思ったら、道を間違えてとんでもない遠回りをしてしまった。
方向音痴ではないという自負があり、知らない場所でもわりと平気で歩ける。
けれど、その日は途中で雨も降ってくるし、直前の仕事での不完全燃焼さもあいまって、見知らぬ景色と周囲のビジネスマンたちの迷いのない足取りが、気持ちを乱す。
頼れるのはグーグルマップだけ、という心細さ。
方向感覚を失ったままグルグル歩き回っていたら突然、絵本の森の入口みたいな場所が。グリーンのリースやオリーブの木や多肉植物