ハンドルを握ること
車で15分ほどのショッピングモールへ向かう。
つもりで、家を出発した。
けれど、なんていうか、気持ちが向かわない。
休日のショッピングモールのファミリー感や
混雑がめんどくさいな、と思ってしまう。
子どもに頼まれている、時計の電池交換さえできれば、あとの買い物は他の場所でも事は足りる。
行き先変更、少し離れた町へ。
そこなら居心地の良いカフェもある。
こんなふうに、車に乗ってから行き先を変更したり、思い立って、予定外の場所へ寄ったり、ということが最近わりとある。
免許を持っていて良かったと思うのは、そんなとき。
確実に行動範囲が広がる。
電車やバスや徒歩では不便なルートも可能になる。
選択肢が増える。
自分で判断して決められる。
頭を使う。
一人でハンドルを握っていると
当たり前だけど自分が判断しなければならない。
どこへ行くか。
どの道を通るか。
生きることと似ているなと思う。
些細なことかもしれないけれど
何かをあきらめないで済んだり
誰かに委ねない、というのは
とても自由だと感じる。
人生において基本的なこと、でもあるんだけど。
道を覚えられないの、という人がいる。
方向音痴とは違う。
自分で運転しない、いつも誰かの車に乗って
目的地に連れて行ってもらう
それが当たり前と思っている人。
運転免許の有無の問題ではない。
覚えられないというより
覚える気がないんだと思う。
もったいないと思う。
どこに行きたいか、どこを目指すのか。
自分の人生、自分でハンドルを握り
ときには寄り道して景色も楽しみながら
行きたい場所に行きたい。
好きな音楽をかけながら。
もちろん、本物の道路では安全運転で。