音葉

日常のインスピから浮かんだ言葉・物語を綴ります。時間と空間を超えて、会いたかった人、会…

音葉

日常のインスピから浮かんだ言葉・物語を綴ります。時間と空間を超えて、会いたかった人、会いたかった自分に会える、そんな言葉を生み出したい。皆様の素敵な写真を掲載させていただきます。(朗読のための文章使用フリー。一部は使用不可と記載)

最近の記事

  • 固定された記事

楽園

天の川銀河の円盤の隅を、 太陽とともにめぐる 青く輝く水の星。 私たちはいつも、その楽園にいる。 太陽と星の光、2つの世界を行き来しながら それぞれの物語の1ページを刻んでいる。 今日もまた、この光の中で生まれた物語を胸に、 休息の闇の中へと帰っていく。 明日もまた、水がきらめくこの星で 自らの光の道を探し求めるのだろう。 光はすでに自らの中にある。 楽園はすでに今ここに存在している。 輝く星は、自らの星の光を知らないのだ。 地球の所在地を調べてみたら、果てしなか

    • 振り返りの読書メモ

      かのユヴァルさんが言うように もしも全ての始まりが 虚構だったとしたならば この生にのみ込まれることはない 虚構を土台とする現実のどこに 真実があるというのだろう 現実が存在するのは それを信じている人がいるから 彼が書くほど、 人は罪深い 生き物だとは正直思わない 罪は絶対的な存在がある時に 存在するものであり 絶対的なものを 信じないものの心には 存在しない 何にとって誰にとって 罪深いか、それがあるだけで どこまで行っても 主観から逃れられない そんな気

      • 言葉の温度

        選んでくれた言葉 たとえそこに 嘘が混ぜられていたとしても 感じるあたたかさがある 言葉そのものより そのあたたかさに 君のそのやさしさに 心が解かれていく 写真 さっとん様

        • たったひとつ

          願いを たったひとつの祈るような願いを そっと胸に灯して この世界を旅している

        • 固定された記事

          幼い恋

          隣にいたい そんな想いが切なく募り この瞳に 映ってしまいそうで 君をみることができない 気がつかないでほしい 今日も目があいませんように、と 祈る想いも知らないで 名前を呼び駆け寄ってくる 聞き慣れた声 隣に並ぶ君に 目を合わせられず またあとでね、と言って 教室の扉を閉める 目を見なくても キョトンとした顔が想像できる 鈍感さはたまに毒 流れてきた曲に 思い出したのは 素直になれなかった幼い日 胸の音も、頬の熱さも、瞳に映る気持ちも 何もかも隠したか

          今日を感じる

          朝の光に 抱きしめられて そのあたたかさに じんわりと包まれる ゆっくりと吸い込む空気に 身体中が満たされていく 今日を感じる いのちの奥深くまで この朝の波に身を任せて もう少しだけ ゆらりゆらりと漂わせて 写真 鐘井ユウさま

          今日を感じる

          現実と想像の間

          見上げた空に 風が流れる 雲が流れる 星々の間を通り抜けて 見えない 宇宙の風も 地上へ降りそそぐ 星の命と その終わりを浴びる 感じられないほど 小さな波もあるけれど 私たちはいつも その不思議にさらされている この魂と身体さえ その不思議のひとつ 不思議なものを 真にコントロールすることなど できるのだろうか コントロールできると思うから 葛藤が生まれるけれど そんなに簡単なものじゃないのかも 複雑にして 混沌にして 美しいこの世界 見えない空間の 全

          現実と想像の間

          季節はずれ

          大人になってからの方が ラジオを聴く回数がふえた 知らない曲に出会うこともふえた でも今日は、懐かしい曲の中で 季節外れに雪が降っていた よそでは雹が降ったとか ふらなかったとか この曲を聴くと思い出す 場所がある 秋と冬の夕暮れは 黄金に光る道をぬけて 線路を跨いで帰った あの道は今はもうない 写真 山田洋介さま

          季節はずれ

          交差する時

          あの浜辺で会った 小さな女の子は いつの間にか 大人になっていた いつかの私と同じ歳 あの頃の自分をみているようで なんだか不思議な気持ちになる 9月のあの日 選んだこの道が 私をここまで連れて来た あの子の選ぶ道は、 あの子を どこへ連れて行ってくれるだろう 遠いあの日 浜辺をかけた私たちは またここで出会った 交差する時に それぞれの過去と未来をおもう 思ってたよりも いい人生だよ あの頃の私にも そっと伝えてあげたい 写真 kumagaimasato

          交差する時

          夕暮れの散歩

          夕暮れの波打ち際を 秋の風が 吹き抜けていく 風にあおられて 響く 波の音に包まれる 遠くにみえる港の光が 美しい 散歩する人々は よりそい語り合う 潮風のやさしい香り 青く沈んでいく この夜を 肌に感じている

          夕暮れの散歩

          空虚

          いつかこの場所から ぬけられるのかな? 遠い昔 夢とか希望を 抱けなかった頃があった 胸をときめかせたモノたちでさえ 心を動かしてくれなかった頃 死にたいとか そんなことはひとつも なかったけれど 目の前の誰の言葉も 悲しいほど届かなかった 心の表面をなぞるように 通り過ぎていくだけだった ただ人形のように 毎日を過ごしていたなと思う 起きて、食べて、読んで、寝て そこから抜けでたくて 少しでも心を打つものを 探していた 新聞、本 ろくに勉強もせずに ただ、言

          朝の光に包まれて

          朝の光に包まれて 人々は眠りから覚める 今日の空は柔らかく ススキ色 少しずつ 朝の色が変わっていく 季節はゆっくりと 確実に歩みを進めている 同じ瞬間など ひとつとして そこにない 愛しい今日 愛しい時間 1秒でも長く この世界を感じていられますように

          朝の光に包まれて

          月影

          眠りにつく前 そっと浮かぶ 今日のこと あたたかい気持ちを 夢まで持っていけたらいいな 今日はなんだか ホワホワと眠たい 遠い昔に聴いた あの曲が 胸の中でやさしく響いた 今日も美しい月夜だからかな 今夜もやさしい時間が 流れますように 写真 Tsuyoさま

          のびた影、時の長さ

          何度この道を通っただろう はじめてこの道を通った日 植えられたばかりの若木に 幼さを感じたことを覚えている あれから 色んなおもいを抱えながら この場所を通り過ぎた 気がつけば あんなに低かった街路樹が 見上げるほどに育っている 風に倒れ 切られてしまったものも あったけれど 夕暮れに立つ その影を見つめ 過ごした時の長さをおもう この街で 出会い別れていった人々 街路樹の葉が散るように 花が狂い咲くように 命が咲き 命が散っていった

          のびた影、時の長さ

          月と散歩

          月の夜 ベランダで夜風にあたる なんだか勿体無い気がして 月と散歩する口実に コンビニまで歩いた どこまでもついてくるから 遠まわりしてみる いつもと同じ道なのに 道ゆく人も 通り過ぎる街並みも 少しずつちがう 山の曲線がくっきりとして 小さな川も 水がチョロチョロと注ぐ水面に 月が揺れていた 公園の東屋には人影がみえる あちこちに人の気配を感じる それぞれが この夜に生きている ありありと鮮明に 照らし出された この星の命の影 明日に向かって 時計の針を

          月と散歩

          あの月の夜

          明るい夜 遠い夏の終わり いつものメンバーで歩く カラオケの帰りの道 耳に残ったフレーズを 口ずさむ声が 夜に響いた 見上げると見つけた まんまるの月 それぞれが 月の向こうに見ていたもの また明日ね、 と言ってわかれたあの道 迷い路にいる者ばかりの 青い夏 写真 Ohzaさま

          あの月の夜