音葉

日常のインスピから浮かんだ言葉・物語を綴ります。時間と空間を超えて、会いたかった人や景色に会える、そんな言葉が生まれたらいい。同じシーンを異なる角度から書くことも..。皆様の素敵な写真を掲載させていただきます。

音葉

日常のインスピから浮かんだ言葉・物語を綴ります。時間と空間を超えて、会いたかった人や景色に会える、そんな言葉が生まれたらいい。同じシーンを異なる角度から書くことも..。皆様の素敵な写真を掲載させていただきます。

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楽園

天の川銀河の円盤の隅を、 太陽とともにめぐる 青く輝く水の星。 私たちはいつも、その楽園にいる。 太陽と星の光、2つの世界を行き来しながら それぞれの物語の1ページを刻んでいる。 今日もまた、この光の中で生まれた物語を胸に、 休息の闇の中へと帰っていく。 明日もまた、水がきらめくこの星で 自らの光の道を探し求めるのだろう。 光はすでに自らの中にある。 楽園はすでに今ここに存在している。 輝く星は、自らの星の光を知らないのだ。 地球の所在地を調べてみたら、果てしなか

    • 銀の糸

      今夜は冷える 吐く息が白かった そのかわりに 星の光がよく届く 欠けていく月の横に ひとつ、流れる星をみつけた 今夜、あの星に浮かんだのは 問いだった 私に何ができるだろう? 写真 井上タクミ様 寒い夜ですね。 次の満月までちょっとお休みします🌝 あたたかくして、 冬のはじまりをお過ごしくださいね。

      • Primula malacoides

        時の影に種を撒く 遠い未来に花を咲かせて と、小さな願いをこめて この気持ちを 置いていこう いつか青い春の日に 君に会えたらいいな すれ違っていく時の流れに ただ一度でも 写真 ゆきんこ様

        • 今年のパジャマ

          寒いけどポリは無理ーと 毎年のように嘆いていたら 「こんなんあるよ」と シルクのシャツを就寝用に薦められた え!こんな薄くて 光沢のあるので寒さをしのげるの? と騙されたと思って着てみた そこまで寒くない、かゆくならない、軽い そういえば、昔お土産でアオザイを もらったのを思い出してボトムスを履いてみた 触り心地、着心地もよし どうして今まで着なかったんだろう.. これに半纏で完璧 半纏が好きなまま大人になったけれど そのままコタツにはいると出られない 心地良す

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        マガジン

        • ワクワクをいただいた企画
          3本

        記事

          波の近くは

          外に出ると冷えた風が 身体を冷やすのに 偶然立ち寄った港へ下りて行くと 波の傍はあたたかかった そっか、 海は熱しにくくて 冷めにくいんだったかな? ちゃぷちゃぷと船が揺れる音 堤防にぶつかる波と風の音 夏は涼しく 冬はあたたかい そんな海がやっぱり好き

          波の近くは

          散歩道

          赤や黄に色づく 小道をのぼる 乾いた落ち葉を踏むたびに 秋の音がした 夏には木漏れ日が揺れたこの道も 秋には葉がひらひらと落ちていく 木の枝の向こうにみえる空の青に 夏の面影はない 全てが色を変えるように 移りゆく心の色を感じていた この寒い季節にあっても 心はいまだあたたかい どうか あなたの心もそうであるように めぐる季節 それぞれに見上げるおもいは 違うのだろうけれど 私たちは今日も 同じ空を見上げている 写真 cherabbyさま

          散歩道

          望月の夜、光る君へ

          もしも、 ずっとそばで見守り続けた愛しい人が そんな風に心から詠む日があれば そして その場に自分がいられたなら どれほど嬉しいことなのだろう 道長の背と振り向く姿をみた 藤式部のおもいは 計り知れない 愛する人が満たされる瞬間は これ以上になく 幸せな時だろう 写真 mitznoriさま あくまで大石静先生のシナリオ なのだろうけれど、 心動かされる場面だった それはきっと、 道長が辿った道のりとおもいを知る 藤式部がそこにいたからかもしれない 驕りなのかなん

          望月の夜、光る君へ

          琥珀糖

          小さなお皿にのせられた琥珀糖 見ているだけで心癒される 光を透かすその色が ほんのりと心に色つけてくれる あなたの今日は どんな色だったでしょうか 写真 Ayaさま

          琥珀糖

          あの街の冬

          あの街には めったに雪が積もらない 教室の窓の向こうには いつもチラチラと粉雪が舞っていた 雲間から射す光に 白く照らされて落ちていくのを 窓際の席からじっと眺めていた 「行ってきていいぞ」 担任によっては、 雪が降り出したら 早めに授業を切り上げてくれた 校庭に出ると 風に巻かれた粉雪が 身体にぶつかる 冷たい風に耳が痛くなって 手がかじかむ 掌に落ちてはスッと消えていく 小さな結晶 懐かしいあの街の冬 坂本龍一 この曲のはじまりは、 風に舞う雪を思い出

          あの街の冬

          誰の心にも

          あなたが ただそこにいる それだけで 世界がとても心強くて あたたかく思える あなたに 出会えたそれだけで はじめてみえた心の色 あなただけがくれた色 たとえ記憶を失う時がきても 心に塗られたその色は 煙になるその日まで 永遠にここに留まり続ける 移ろうものに頼りなさを覚えても たしかにそこにある それは香りの記憶に似て 最後の時まで そこにいてくれる気がする

          誰の心にも

          あの歌をうたった日

          一歩、外に出てしまえば 世界は大きく広がっているに 二度と同じ時に戻れないと知っているから 慣れ親しんだ場所から去るのは 名残惜しくて ついそこに留まってしまう 本当は分かっていた 私は変わった あの日、確かに私は 君と一緒に歩んでいきたかった その願いを手放せずにいた だけどもう、 ここに置いていかないといけないね もう一度ここに訪れることがあったなら 今のこの気持ちさえも すべて過去になっているのかな この手を離したくない それでも、私たちは 同じ春を待つ

          あの歌をうたった日

          上から見た街

          高いところから街をみおろす 南の方角にその場所はあった 建物が立ち並ぶ真ん中に 緑の道が細く長く続いていた なぜだかあの日 その場所がとても特別に思えた 上からだから見つけられる景色が あるのだなと気づかされた 歩いてみたいな、と 思いながら叶わなかったけれど 業平の"都鳥"の歌を 久しぶりに目にして 浮かんだ記憶 写真 writer1623kitaさま

          上から見た街

          真夜中

          窓を開けて 真夜中にでていく スーッと胸に流れた空気に 通り雨の匂い 月の光に 葉の上の雫が光る 見上げた空にちゃんといた 会えてよかった すれ違ったまま 生きていくことの多い 世界だから ただひと夜のこの時を 大切におもう

          真夜中

          眩い夕星

          好きなものを好きだと 言えるのは強さだ 何もかも飲み込んで そう言えるのなら あまりにも眩い光に 目がくらんだ夜 写真 いしかわ いづみ様

          眩い夕星

          よく噛んでね

          毎年、親戚から 有明の海苔が送られてくるけれど 今年はのりの佃煮が贈られてきた めずらしい とはいえ、のりの佃煮は大好物で "しいたけとろろ"と一二を争うほどだ のりの佃煮には、 白ご飯がすすまない朝や おにぎりの中身として 長らくお世話になっている けれど、ある一年だけ 一切口にしなかったことを思い出した 92歳になり食欲も落ちた祖父が のりの佃煮を食べたがって、 ご飯がすすんだはいいものの 普段とペースが違ったのか 誤飲性肺炎になってしまった 歳をとると嚥下機

          よく噛んでね

          雨が光る世界で

          秋の冷たい雨が 見下ろす坂道をぬらしていた 光の線は途切れることなく アスファルトを叩く 大きな光の粒が 地面に散らばっては流れていく 傘に落ちる音は 世界の音をかき消して ただその瞬間に私を留まらせてくれた 雨にぬれて 色を変えていく景色が美しい いつまでも ここにはいられないけれど もう少しだけ、いさせてほしい サスケ 雨の日に思い出した 懐かしい曲。 今夜は不在ですが みなさま良い夜を。

          雨が光る世界で