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望月の夜、光る君へ

この世をば
わが世とぞ思ふ 望月の
欠けたることも なしと思へば

藤原道長

もしも、
ずっとそばで見守り続けた愛しい人が
そんな風に心から詠む日があれば

そして
その場に自分がいられたなら
どれほど嬉しいことなのだろう

道長の背と振り向く姿をみた
藤式部のおもいは
計り知れない

愛する人が満たされる瞬間は
これ以上になく
幸せな時だろう


写真 mitznoriさま

あくまで大石静先生のシナリオ
なのだろうけれど、
心動かされる場面だった

それはきっと、
道長が辿った道のりとおもいを知る
藤式部がそこにいたからかもしれない

驕りなのかなんなのか分からずに
ただ知っていただけのあの歌で
感動する日がくるなんて
人生はわからないな、と思った夜

遠い昔、道長と結ばれた
荒屋に降った銀の光と
同じ光が落ちていた

満ちる月、満ちるおもいが
重ねられた日