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毒草の誘惑


毒草の誘惑

 世界中の「毒のある植物」を紹介した本です。
 本書が出た一九九七年には、ほとんど類書がなく、貴重な存在でした。

 「毒」って、怖いけれど、惹かれますよね。文字どおり、危険な魅力があります(^^)

 現実に、毒のある植物と触れ合うには、制約が多いです。
 けれども、本で読むだけならば、何の問題もありません(^o^)
 危険な目には遭わずに、「危険な魅力」にひたることができます。

 本書には、美しいカラーの植物画も付いています。絵を見ているだけで、楽しいです。

 解説も、充実しています。すべて、著者の植松 黎【うえまつ れい】さんが、実際に、毒のある植物と触れた体験が、書かれています。
 一部に、植物ではない菌類(キノコの仲間)も、紹介されています。バッカクとドクササゴが、そうです。

 二〇一二年現在、本書が、古本でしか入手できないのが、非常に残念です。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。
 目次を読むだけで、どきどきしてきます(^^)

はじめに

ケシ ●モルヒネの復権
アサ ●マリファナは合法にすべきか
フクジュソウ ●おめでたい「元日草」には心臓毒がある
サンギナリア ●「血の根」とよばれるケシ科の毒草
コブシ ●樹皮に矢毒と同じ成分を含む
トリカブト ●古代ローマ時代の”継母の毒”
スズラン ●花言葉は「幸福の再来」
イヌサフラン ●痛風に効くがまかりまちがえば……
クサノオウ ●茎の黄色い汁が只者じゃない
ジギタリス ●心臓病のむくみに効く”魔女の薬草”
チョウセンアサガオ ●華岡青洲が麻酔手術に使った
シキミ ●葉や樹皮にお線香のような臭い
クリスマスローズ ●ヒポクラテスも使った古い薬草
コカノキ ●コカインのルーツ根掘り葉掘り
スイセン ●切り花の汁で皮膚炎になった人も
イチイ ●ギリシャ語名が英語の「毒」の語源
マムシグサ ●葉の一部がマムシのように不気味
コンドデンドロン・トメントスム/
ストリキノス・トキシフェラ/
ストロファンツス・グラツス ●愛犬家殺人事件の毒薬学
ニガヨモギ ●耽溺性の酒アブサンの原料
キンポウゲ ●消えていった原っぱの野草
ハシリドコロ ●中毒をおこすと瞳孔が開いたまま
キョウチクトウ ●青酸カリより猛毒な生け垣
マオウ ●かつて覚醒剤の原料だった
ウルシ ●かぶれるかぶれないは体質による
トウワタ ●美しい蝶と共生する不思議
イラクサ ●1ミリほどの棘の根元に毒を蓄える
タバコ ●ニコチン毒は殺虫剤に使われる
アセビ ●家畜の呼吸中枢を麻痺させる
ヒヨス ●魔女に求めた「愛の秘薬」
ドクウツギ ●恐竜絶滅の一因ともいわれる
ペヨーテ ●神秘的な儀式に用いられたサボテン
ヨウシュヤマゴボウ ●近年、免疫に関わる成分が解明
バイケイソウ ●山菜とまちがえ中毒事件が
ヒガンバナ ●球根をすりおろし救荒食に使われた
バッカク ●幻覚剤LSDでサイケデリック
ドクササゴ ●毒の致死量は動物によりまちまち
ゲルセミウム・エレガンス(1) ●ゲルセミウムの魔力
ゲルセミウム・エレガンス(2) ●地球上で最猛毒の植物

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