ぼくらの昭和オカルト大百科 (大空ポケット文庫)
一九七〇年代の日本に巻き起こった、オカルトブームを回顧した本です。
当時をリアルタイムで体験した方には、非常に懐かしい本でしょう。一読の価値があると思います(^^)
そもそも、表紙の絵からして、キています(笑)
この表紙は、五島勉【ごとう べん】氏の『ノストラダムスの大予言』シリーズのパロディなんですね。このシリーズは、一九七〇年代に、大ブームを起こしました。「オカルト七〇年代」を、象徴する書籍群です。
そう、一九七〇年代は、オカルトの時代でした。今では考えられないほど、メディアに、オカルトネタがあふれていました。テレビにも、映画にも、書籍にも、オカルトネタがいっぱいでした(当時は、もちろん、インターネットはありません)。
本書の著者さんは、その時代に、多感な子供時代を過ごし、オカルトの洗礼を受けたそうです。
その著者さんが、「あの頃は、こんなだったよね。こんなだったんだよ。今、考えれば、おかしいよね」と語っているのが、本書です。
本書は、研究書ではありません。軽いエッセイです。お堅いところは、まったくありません。
一九七〇年代を知らない人でも、さらっと読めると思います。むしろ、知らない方のほうが、新鮮で、面白いかも知れません。
もっと突っ込んだ「時代の考察」を読みたい方には、もの足りないでしょう。
そういう方には、ぜひ、『オカルトの帝国』、『オカルトの惑星』の二冊をお勧めします(^^)
この二冊は、研究書寄りのスタンスです。『ぼくらの昭和オカルト大百科』と、同じ時代を扱っています。三冊を比べて読むと、面白いでしょう。
本書は、書き方は軽いものの、「オカルト七〇年代」を実体験した方の証言として、貴重だと思います。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
はじめに
00 一九七三年……ストレンジデイズ
「イカレた時代」以前/「千里眼」騒動/一九七三年
01 終末……一九九九、七の月
一九七〇年の「こんにちは」/「公害問題」と「暗い未来」/「ヘドラ」襲来!/
終わりのはじまり/ノストラダムスの人物像/投下された「オカルト爆弾」/
ノストラダムス現象/今さら読んでみる五島【ごとう】版『大予言』/
さまざまな批判/「どうせみんな死んじゃうんでしょ?」
02 UMA……七〇年代”珍獣・奇獣”博覧会
「謎の生物を追う!」はオカルト特番の元祖/テレビは小さな「見世物小屋」/
雪男/ネッシー/ツチノコ/オリバーくん/ケセランパサラン
03 超能力……少年よ、スプーンを曲げろ!
超能力という「科学」/♪サイコキネシ~ス、テレパシ~/大脱出!/催眠術!/
針金で地底探検/ユリ・ゲラー降臨!/ユリ・ゲラーとは何者だったのか?/
僕らの「超能力」修行
04 UFO……WE ARE NOT ALONE.
「未確認飛行物体」の名前/「見た!見た!」の歴史/「UFO」前史/
「ゴーストロケット」と「フーファイター」/ケネス・アーノルド事件/ロズウェル事件/
マンテル大尉事件/「米空軍UFO調査機関」の発足/
アダムスキー氏の奇妙な体験/教えて、ユング先生!/
日本における「UFO」ブーム
05 心霊……オカルト娘の血は騒ぐ
「恐い」の歴史/「オカルト女子」の存在/「怪獣ブーム」から「妖怪ブーム」へ/
あなたの知らない世界/「霊能力者」の登場/「心霊写真」ブーム/
「コックリさん」ブーム/「口裂け女」騒動
おわりに