ハワイの自然―3000万年の楽園
日本人の誰もが知っている、南洋の楽園、ハワイ。
でも、そのハワイ諸島が、どんなふうにできたのか、御存知ですか?
この本では、ハワイ諸島の成り立ちを、解説しています。
地球の力により、ハワイ諸島が生まれたところから、そこへ生き物たちがやってきて、棲みつき、進化し、独自の生態系が生まれ、そこへヒトがやってきて、どのように生態系が変わったのか。
最初に到来したポリネシア人の社会は、どうだったのか。そして、のちに、ヨーロッパ人が到来してからは、どんな社会の変化があったのか。
みんな、この本を読めば、わかります(^^)
分野で言えば、これは、地理学の本でしょうね。
地理学は、社会科学の一種とされることが多いです。が、地質学や生物学などをも包含する、範囲の広い学問です。文理両方にまたがった学問ですね。
題名にあるとおり、ハワイの自然について知りたいなら、ぜひ、お勧めします。
ハワイと限らなくても、「島がどうやってできるのか」に興味があるなら、必読ですね。
ハワイ諸島は、一度も、大陸とつながったことがありません。このような島を、大洋島といいます。
大洋島には、独自に進化した生き物の種が多いです。要するに、「珍しい種が多い」ということです。
例えば、ハワイ諸島には、島ごとに違う種のコオロギがいます。
なんと、ハワイ諸島全体では、二百五十種ものコオロギの固有種がいるんですよ。固有種ですから、全世界で、ハワイ諸島にしかいないコオロギたちです。
なぜ、こんなふうになったのか、知りたいと思いませんか?
ハワイの珍しい生き物を知りたいなら、迷わず、本書をお読み下さい。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
まえがき
I 章 大洋島の一生
1 太平洋の十字路
2 ハワイ諸島の成立
3 ハワイの大島:ハワイ島
4 ハワイの火山と女神ペレ
5 英雄マウイとマウイ・ヌイ
6 ハワイの中心地:オアフ島
7 雨と緑の島:カウアイ島
8 もう一つのハワイ:北西ハワイ諸島
9 ハワイの珊瑚礁
II 章 貿易風の恵み
1 亜熱帯の海洋性気候
2 ミニ大陸の多様な気候
3 ハワイの季節感
4 ハリケーンと津波
5 虹と南十字星
III 章 進化の生き証人たち
1 長距離散布:三つのW
2 定着の試練
3 五つの植生帯
4 非調和な生物相
5 世界一高い固有率
6 適応放散的種分化
7 ハエを捕食するイモ虫
8 二十面相のオヒア
9 オヒア林は極相林?
10 500万年の生態系進化
11 島ごとに異なるコオロギ
12 近親交配を防ぐしくみ
13 飛べない鳥
14 スミレの「木」
15 海鳥と珊瑚礁の島々
16 海の中の大洋島
IV 章 人間の定住と自然の変容
1 ポリネシア人の到来
2 伝統文化と植物
3 ハワイ人の土地利用:アフプアア
4 クックのハワイ「発見」
5 カメハメハ大王による統一
6 ビャクダン貿易と捕鯨船
7 立憲君主国家へ
8 砂糖とパイナップル
9 カラカウア王と日本人移民
10 ハワイ王朝の終焉
11 南海の「パラダイス」
12 戦争・州昇格・観光
V 章 招かざる客たち
1 楽園を演出する植物
2 繁茂する帰化植物
3 帰化鳥紳士録
4 家畜の野生化
5 野ヤギの破壊力
6 野ブタとハワイ人文化
7 マングースの脅威
8 野ネコの進出
9 害虫のいない世界
10 止まらない侵入
VI 章 失われた楽園と回復の試み
1 黄色い羽の悲劇
2 追いつめられた植物たち
3 絶滅危惧種の保護
4 野ヤギの駆除
5 自然を守る制度と施設
6 エコ・ツーリズム
参考文献
あとがき
索引