栄光のペルシア (MUSAEA JAPONICA)
イラン(ペルシア)の歴史と文化について、たっぷりと図版を交えて、解説した本です(^^)
ほぼ全ページに、カラーで図版が入っています。図版を眺めているだけでも、楽しいです。イランに、古くから優れた文化があったことが、わかります。
解説文まで読めば、イランの歴史について、ごく基礎的なことは、理解できるのではないでしょうか。
ただし、本書で扱っているのは、サファヴィー朝(西暦一五〇二年~一七三六年)以前の時代までです。
メソポタミアに接しているイランでは、早くから、都市文明が芽生えました。
何千年も前の土器を見れば、文化の水準が高かったことは、明らかです。凝った形をしていたり、色鮮やかな模様が残っていたりするからです。
金属製品、ガラス製品、コイン、織物などにも、見るべきものがあります。
特に、ガラス製品は、日本と縁があることで、知られます。
正倉院の宝物の中に、サーサーン朝ペルシアで作られたガラス製品があるのは、教科書にも、載っていますね。白瑠璃碗【しろるりわん】と呼ばれるものです。
これとそっくりなガラス製品が、本書に載っています。
はるかな古代に、日本とペルシアとは、シルクロードでつながっていました(^^)
ペルシアは、遠い異国でありながら、日本とも縁を感じる国です。
本書で、ペルシアのエキゾチックさと、どこかで見たような親近感と、世界史のロマンとを、お楽しみ下さい。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
はじめに
ペルシアの思い出――平山と私の最初のイラン旅行
第1章 イラン文化の展開
イランの風土と歴史
イランの土器
彩文土器/磨研土器/長嘴壺/コブ牛形土器/さまざまな動物たち/
パルティア時代の形象土器/人をかたどった形象土器/リュトン
彩釉【さいゆう】製品
ファイアンス/彩釉煉瓦【れんが】/彩釉陶器
イランの金属製品
武器・工具/銀器/帝王狩猟文銀器
ガラス
アケメネス朝のガラス/パルティア・サーサーン朝のガラス/装身具
ペルシアの文字
コイン
アケメネス朝ペルシアのコイン/パルティアのコイン/
サーサーン朝ペルシアのコイン
サーサーン朝のスタンプ印章
第2章 花開くイスラーム文化
イスラーム諸王朝の歴史と文化
イスラーム陶器
イスラーム陶器の誕生/イスラーム前期の陶器 彩画陶器・ペルシア三彩/
イスラーム陶器の黄金時代
サファヴィー朝の織物
金糸銀糸/花鳥文錦【にしき】/さまざまな織法/人物文錦
イスラーム時代のペルシアの絵画
イスラームガラス
美術館紹介
執筆者紹介