地方発 明治妖怪ニュース
同じ編者―湯本豪一【ゆもと こういち】さん―の『明治妖怪新聞』の続刊に当たる本です。
明治時代の、怪しい事件の新聞記事を集めています。妖怪やら、幽霊やら、人を化かす狐や狸やらのニュース(!)が集められています。
ぜひ、『明治妖怪新聞』と合わせて読んで下さい。楽しさ倍増です(^^)
『東スポ』の血脈は、明治時代から続いているんだな、とわかります(笑)
どんな事件が載っているのか、例を挙げてみましょう。
例えば、「海猿【うみざる】」のニュースがあります。
「海猿」といえば、二〇一〇年現在では、人気漫画の題名ですね。
でも、明治の新聞では、海に出る、ニホンザルにそっくりの妖怪となります。秋田県沿岸の海で、イワシ漁の網にかかったのだそうです。記事の中では、海猿と呼ばずに、猩々【しょうじょう】と呼んでいます。
「猩々」事件などは、いかにも古色蒼然とした妖怪話ですね。こういう事件ばかりではありません。現代でも通用しそうな事件もあります。
例えば、青森県の八戸【はちのへ】町(現在の八戸市)で起こった事件です。今で言う「心霊写真」が撮影されました。
母と息子が並んで撮った写真に、十二年前、コレラで死んだ父の姿が写っていた、そうです。
明治三十一年の事件です。日本における「心霊写真」事件としては、非常に古いものの一つでしょう。
妖怪好きや、怪談好き、心霊写真好きなら、この本を読むしかありませんね(^^)
以下に、この本の目次を書いておきましょう。
はじめに
凡例
明治怪奇報道地方新聞一覧
度量衡換算表
1 北海道の怪
2 東北の怪
3 関東の怪
4 中部の怪
5 近畿の怪
6 中国の怪
7 四国の怪
8 九州の怪
◆コラム
妖怪ニュースも進化する?……怪獣と三ツ目入道
岐路に立つ妖怪展……夏の風物詩はどこへ行く
現代に生きる妖怪……岡山県吉井町のツチノコ騒動
消費される怪談……お茶の間でお化け屋敷めぐり
地方発明治怪奇報道年表
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