龍のファンタジー
龍に関する民話や神話を集めた本です。三十以上のお話が載っています。
中でも、ヨーロッパから西アジアにかけて(西洋)の龍について、充実しています。いわゆるドラゴンですね。
これは、著者がアメリカ人だからでしょう。ヨーロッパ系の文化の素養を身に付けた人、だと思います。
東アジア(東洋)の龍についても、載っています。中国と、日本の龍ですね。
けれども、この本に登場する東洋の龍には、違和感があります。「こんな伝承、あったかしら?」というところがあります。
東洋の龍について、疑問の付くところがあるため、満点は付けられません。
東洋の龍を知りたいのなら、別の本―例えば、『世界の龍の話』など―を読んだほうがいいです。
でも、西洋の龍について知りたいなら、この本は、お勧めです。
この本では、アフリカ、オセアニア、北米、中米、南米の龍も、取り上げています。
これらの地域の龍は、扱われることが少ないです。ですから、その点は、とても評価できます。
また、この本では、「実在する(あるいは、実在した)龍」も、取り上げています。コモドオオトカゲなど、現存する巨大爬虫類と、首長竜など、かつて存在した巨大爬虫類です。
以下に、この本の目次を書いておきますね。
まえがき デズモンド・モリス
序
第1章 蛇龍【へびりゅう】
ラムトン長虫【ワーム】のたたり
ギーヴルとガルグイユ
ミドガルドの蛇、ヨルムンガンドル
キチアトゥシスと巨大な吸血龍
レグルスとカルタゴの巨大蛇
ペルセウスとポセイドンの龍
レヴィヤタン
蛇龍と蛇鯨
第2章 龍もどき
リントヴルムの王の花嫁
ジークフリートとファーヴニル退治
モードとワイヴァン
マルドゥクと海龍
神出鬼没のタッツェルヴルム
第3章 古典的な龍
聖ゲオルギウスと龍
ウォントリーの龍、戸惑いのうちに死す
ブンイップに気をつけろ!
イリノイの龍鳥ピアサ
バビロンのシルシュ
ピラトゥス山の小龍
コモドおよびニューギニアの生きている龍
第4章 空飛ぶ龍
アンピプテラと有翼の蛇
ケツァルコアトル、メキシコの羽毛のある蛇神
中国の龍神
悲哀の歌鳥 絶望の龍
ウェールズの翼のある蛇
第5章 ネオ・ドラゴン
バシリスクからコカトリスへ
タラスクの恐怖
ペルーダ
ヘラクレスとレルネ沼のヒュドラ
サラマンダーとピュラリス
首長龍と海蜥蜴【うみとかげ】
未来の龍
訳者あとがき
参考文献
謝辞
索引
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