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コーンウォール―妖精とアーサー王伝説の国


コーンウォール―妖精とアーサー王伝説の国

 イギリスの中でも、日本人に馴染みのないコーンウォール地方について、さまざまなことをつづった本です。
 著者は、日本の妖精研究の第一人者、井村君江さんです。

 この本が刊行された当時(一九九七年)、井村さんは、実際にコーンウォールに住んでらっしゃいました。
 ですから、本書には、生活者としての視点がにじんでいます。通りすがりの観光客が書いた本ではありません。

 それでなくとも、著者が井村さんといえば、日本の妖精好きの方には、興味津津でしょう。
 妖精の本場イギリスで、井村さんが、何を見、何を聞き、どのように暮らしてらっしゃったのか、関心を持たないはずがありません。

 コーンウォールは、イギリスの中でも、妖精伝説が濃く残るところです。
 妖精伝説が濃い場所とは、ケルトの伝統が濃く残るところでもあります。日本では、あまり知られませんが、コーンウォールは、スコットランドやアイルランド、ウェールズと並んで、ケルトの伝統が濃い土地です。

 その割に、スコットランドなどと比べて、コーンウォールを紹介した日本語の本は、少ないです。本書は、貴重な資料です(^^)

 コーンウォールの祭り、コーンウォールの食べ物、コーンウォールに残る妖精伝説やアーサー王伝説など、本書でお楽しみ下さい。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

地図 コーンウォール全図
プロローグ

第一章 コーンウォールの生活
 コーンウォール、ロンドン、東京の三重生活
 コーンウォールに暮らして(ジョン・ローラー)

第二章 コーンウォール最古の町と人
 マラザイアンの名前の由来
 セント・マイケルズ・マウント小史
 マラザイアンの町
 マラザイアンの人々

第三章 コーンウォールの町と伝承
 ペンザンスの町と店と人々
 セント・マイケルズ・マウント付近の巨人伝説
 ゼノアの人魚伝説
 コーンウォールの妖精たち(ピスキー、スキリーウィデン、ノッカー、スプリガン、ブッカ)
 さまざまな石の遺跡

第四章 コーンウォールの祭りと食べ物
 ケルトの祭り「ゴーゼス・ケルノー」
 トム・バーコックス・イヴと「スター・ゲイジー・パイ」
 土地、街、教会の名に残る聖者たち
 コーンウォールの代表的な食べ物「コーニッシュ・パースティ」

第五章 コーンウォールのアーサー王伝説
 アーサー王のティンタージェルとボッシーニー
 エクスキャリバーのドーズマリー・プール
 マルク王の城跡カースル・ドアーとトリスタンの墓石
 ランズエンド、海底のリオネスとシリー諸島

第六章 コーンウォールの特色ある土地
 作家グレアム、クゥィラクーチが愛した町フォイ
 ミナック・シアター
 セント・アイヴス

第七章 コーンウォールと作家たち
 ヴァージニア・ウルフのセント・アイヴズ
 キャサリン・マンスフィールドとロレンス夫妻のゼノア
 トマス・ハーディのボスカースル
 ダフネ・デュ・モーリアとフォイ

エピローグ
参考書誌
索引
コーンウォール賛歌



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