先を見通す数字が当てにはならないこともある
企業や組織、または国の業績予想の数字は、基本的には現場からの情報の積み上げで、それを統合した形で発表されます。
その数字には、よく言えば期待を込められることや、逆を言えば自分をよく見せたいという保身の気持ちが含まれることがあるのです。
つまり、報告する側の感情が含まれることがあるのです。
人間社会は不合理なこともあるので、マクロ的に見れば、多勢の感情により作り出された雰囲気が、政治的決定にまで影響が出ることもあります。
ですが、先の正確な見通しを持つことの難しさを知っておく事は、ミクロの世界、特に個人が株を買う時等には多いに考える材料になります。
端的に言えば個別銘柄一本に絞り込むことのリスクです。どの企業が成長するかを嗅ぎ当てることは、ほとんど無理な話なのです。
株を買うなと言っているのではありません。買うとするなら市場の指数とほぼ同じ動きをするインデックスファンドを勧めているのです。
市場は乱高下を繰り返しながらも、相対的に成長し続けます。それは、人間は毎年賢くなっているからです。去年までは100の力が必要だった製品作りが、次第に要領を覚えるので効率がよくなり、翌年には95の力で出来るようになります。
楽になった分(残った5の部分)を活用すれば、新しい価値創造が出来るのです。
中央銀行がその価値の成長に見合っただけの金融政策、つまり適切に通貨を増やすことを続ければ、経済はのらりくらりとですが、成長するのです。
これが原理です。とてもシンプルなのです。
もちろん個別の企業の応援の意味で株を買うともあるでしょうし、個人の楽しみとしての投資には大賛成ですが、僕にはそれを楽しむだけの余力は今はありません。
また投資は自己責任ですが、この原理を理解した上で長期的に物事を見ていきたいのです。
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