お楽し森の学校2022 5日目
こんにちは!三重県上野森林公園のスタッフいっぺーです。
2022年12月4日に開催した「2022年度お楽し森の学校」5日目の様子をお届けします。(“お楽し森の学校”の詳細については下記リンクよりどうぞ)
第5回のテーマは「楽しいことを最後までこだわって完成させる!」でした。
前回作った「楽しいこと」をさらに楽しく発展させていきます。
そして、1日の最後には子ども達のお家の人も呼んでおひろめ会を開きます。
残された作業時間は4時間あまり。もちろん、完成を目指すために集中もしますが、それ以上に子ども達が最後まで楽しむことが大事な気がします。
果たして子ども達の「楽しいこと」は完成したのでしょうか?
最後の「楽しいこと」会議
最後の「お楽し森の学校」も話し合うことから始めました。
「ツリーデッキ班」は、前回作ったツリーデッキと昨年度作ったツリーハウスを合体させるそう。
2つをつなぐ橋を掛け、すべり台やはしごも作り直していきます。
前回と同様、みんなで力を合わせることが必要そうです。
「ササの秘密基地班」は、もう一度それぞれの子ども達が作りたいものを整理。
竹のイスを作っていた子どもは、自分の体に合う様に最後までこだわります。
鳥居の様な壁を作っていた子どもは、竹を使い剣や盾を作るそう。
紐で仕切りを作っていた子どもは、縦に割った竹を使ってすだれの様なものを作るとのこと。
前回と同じく、それぞれ分かれて「楽しいこと」に取り組みます。
「ひとりで作る班」は前回で「楽しいこと」がほとんど出来たそう。
新たに「楽しいこと」を考えたり、さらに細かいところをこだわっていきます。
話し合いを終えた子ども達は、足早に森の中へと出発していきました。
ツリーデッキが発展。カニ橋、すべり台、はしごも完成だ!
ツリーデッキ班は、デッキとツリーハウスをつなげる橋を作ることから開始。
梁を作った時の様に、角材を木にかけて角しばりで固定していきます。
前回は固定し直したりと時間がたくさんかかってしまいましたが、今回は慣れた手つきでロープを結んでいきました。
この作業にみんなで取り組み、昼過ぎにはツリーデッキとツリーハウスを繋ぐ「カニ橋」が完成しました。
「カニ橋」という名前は、渡る人がカニ歩きでバランスをとりながら渡る様子から、子ども達が考えた名前です。
まるで平均台の様で子ども達もドキドキしながら渡ることを楽しめます。
もちろん、大人が安全を見守る「お楽し森の学校」ならではの「楽しいこと」です。
「カニ橋」を作る最中、いつの間にかすべり台も完成していました。
手の空いた子ども達が作ってくれていた様です。
滑り台をみんなで持ち上げ、ツリーデッキに固定。
試しに滑ってみると、なかなかの滑り具合でした。
最後に残った「楽しいこと」がはしご。
昨年の「お楽し森の学校」でも角材と竹で作りましたが、老朽化していたので作り直すことにしました。
今回は新たに縄ばしごに挑戦。
これまで使ってきたロープワークとは違った結び方で少し苦戦していましたが、スタッフと一緒に手元を確かめながら作りました。
最後にみんなにこの場所を知ってもらえる様、看板を設置して完成!
「ツリーデッキ班」の「楽しいこと」は、見るだけでワクワクする木の上の遊び場でした。
イス、鳥居、すだれ、色んな「楽しいこと」が混ざり合ったササの秘密基地
ササの秘密基地班もおひろめ会に向けてラストスパート。
まず、前回途中まで作ったイスが完成!
最後までひとりでこだわって作り、ゆったり座ることのできる竹のイスが出来上がりました。
鳥居の壁を作っていた子どもは竹を加工して盾と剣を作成。
それだけでは物足りないと、木の輪切りを使ってドラムも作りました。
紐を使って仕切りを作っていた子ども達の「楽しいこと」も発展しました。
竹のすだれで辺りを囲み、より秘密基地らしくアレンジしました。
最後にみんなで散らばっていた落ち葉や枝をキレイにして、「ササの秘密基地の完成!」
「ササの秘密基地班」の「楽しいこと」は、色んなことを試して出来上がった秘密の隠れ家になりました。
ひとりで「楽しいこと」を作る
今回のお楽し森ではひとりで「楽しいこと」を作る子ども達もいました。
お楽し森では「楽しいこと」をひとりで作っても、みんなで作ってもOK。
時にはひとりで、時には誰かが遊びに来たり、決して孤立するわけではなくお互いを気にかけながら、それぞれのペースで「楽しいこと」に取り組んでいました。
ひとりで「ササの秘密基地」を作っていた子どもは、竹などを一切使わず、薮を切り開いた時に出たササだけを使って秘密基地を作っていきました。
秘密基地が完成したというので、中をお邪魔させてもらうと使ったササの長さや重ね方などこだわりがあることが分かりました。
うまいこと周りの景色と溶け込んだ秘密基地が出来上がりました。
「竹のおもちゃ」を作っていた子どもは、他にも色々なことにチャレンジしていました。
森の小道を切り開いたり、他の班が使う竹を切るのを手伝ったり、「ツリーデッキ班」と一緒にロープを結ぶことにも挑戦していました。
また、子ども達の間で竹の弓矢作りが流行っていたので、それなら自分はと森の中に秘密の的を作りました。
もしかすると、この子どもがお楽し森で一番のアイディアマンだったかもしれません。
また、「ツリーデッキ班」からも作業の合間をぬって、ひとりで「楽しいこと」を作る子どもがいました。
竹でクロスボウが作りたいと、自分ひとりで設計図を考え、それを実践していきました。
しかし、あともう少しというところで時間が来て、クロスボウは完成させることが出来ませんでした。
それでも不思議とその子どもの表情は満足げで「次は完成させたい。」と前向きな感想を持っていました。
「楽しいこと」はその他にも、木のネックレスやペンダント、木の枝の弓矢や名札などたくさんありました。
個人で挑戦した「楽しいこと」を細かくあげるとキリがありません。
何より、子ども達は「楽しいこと」を生み出すという作業そのものを楽しんでいた様に思います。
「お楽し森の学校」の集大成。おひろめ会の開催だ〜!
いよいよお家の人を招いてのおひろめ会。
子ども達はお家の人を連れて、「こんなものを作ったんだよ!」と森の中を案内して回りました。
大人の皆さんは子ども達の作った「楽しいこと」を見て「こんなものを作ったの!」と目を丸くしていました。
中には、涙を流して感動してくれた親御さんもいました。
中でも人気だったのがツリーデッキ。
特に「カニ橋」が人気で、小さなお子さん達が嬉しそうに渡っていました。
子ども達はお家の人に自分たちが作ったものを見てもらってとても嬉しそうでした。
この経験がきっと子ども達の自信にもなることと思います。
「お楽し森の学校」修了式。ここでの出来事を忘れないでね。
みんなで研修室に戻り、閉会式。
公園スタッフから子ども達に修了証の授与を行いました。
たくさんの人に見守れながら賞状を受け取る子ども達の姿は誇らしく見えました。
前回と同様、なぜツリーハウスや弓矢などの「楽しいこと」を完成させることが出来たのか、これまでを振り返る時間を取りました。
するとある子どもが「楽しかったから!」と答えてくれました。
これには、私達スタッフも、伝えたかったことを感じてもらえていたんだなととても嬉しかったです。
そして、「誰かに指示されたからではなく、自分の心にやりたいと思う気持ちがあれば、それは実現できる。」と続け、お楽し森の全日程が終了しました。
「お楽し森の学校」の総括。そして、次回開催へ
昨年度に引き続き、色んな出来事があった「お楽し森の学校2022」。
特に印象に残っているのが、ロープワークが大嫌いだった子どもが4日目から自ら進んで結ぶことに挑戦していたことです。
2日目に練習したときは嫌がっていたのですが、森の中で「楽しいこと」を作っている内に、気が付いたら他の子ども達と混ざって角しばりに取り組んでいました。
それは自分の「楽しいこと」を追求するという独自のやり方や、緩やかな自然の空気感がそうさせたのではないかと、見ていて感じました。
改めて自然の持つ人を育てる力というものを感じた気がします。
参加した子ども達からは口々に「来年も参加したい!」と言ってもらえました。
そのことが、やはりスタッフとしてはとても嬉しかったです。
これからも子ども達の「楽しいこと」を引き出せる様、スタッフ一同頑張っていきます。
では、「お楽し森の学校2023」でまた会いましょう!