8章 今日からはじめるヴィーガン生活・入門
ヴィーガンとは完全菜食主義の食生活をとっている人で、動物性由来の食品は一切摂らない。つまり、卵や牛乳は当然ながら、コンソメキューブや味の素などが使われた食品も摂ることはない。
じゃあ、いったい何を食べているんだ?と不思議に思われる方もいるかと思うが、過去に日本人が食していたような、お米・味噌汁・お漬物・納豆などは食べることができるし、もちろん他にも色々ある。日本人って考えようによってはヴィーガンを選びやすい人たちではあるのだなと思う。そして最近では、大豆ミートを使ったハンバーグであったり、まだ低価格での実用化は難しいだろうが培養肉といったものも登場している。 ここまで、食べるためだけに動物を飼育しと畜することの是非や動物のことをどう捉えるかについて考えてきた。動物のことも考えれば考えるほど、いま我々が採用している食生活が間違ったものに思えてくるけれど、これまで数十年と親しんできた肉食をやめて、完全菜食主義になろうなんて到底無理な話である。既にヴィーガンとしての生活が長い日本ヴィーガン協会の室谷さんも、急に明日から肉食を辞めるなんてことは実際不可能であるし、そうする必要もないと言う。今回は、無理なく始められるヴィーガンについて伺った。
鈴木 室谷さんは、ヴィーガンになられて既に15年ほどと伺っておりますが、初めはマクロビオティック※1から入られたのですよね?
室谷 もともとモデルの仕事をメインにしていて、女性の健康やライフスタイルを語るお仕事の機会があったのですが、それまで食事にはほとんど気を遣ってこなかったんです。そこで、マクロビオティックの資格があると知り講座に通い始めたのですが、「あなたの体はあなたが毎日食べているものでしかできてないですよ」という言葉に、すごく衝撃を受けてしまって。
鈴木 それまではどんな食生活だったのですか?
室谷 高校生の時は炭水化物抜きダイエットをしていたり、痩せることが目的だからカロリーさえ抑えられればいいやー、無茶なダイエットをしていました。
鈴木 玄米菜食※2を始められてからは劇的に変わった感じでしょうか。
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