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推し活翻訳7冊目。The Royal Rabbits of London、勝手に邦題「ロンドン・ロイヤル・ラビット隊1 シャイロの大冒険」
原題:The Royal Rabbits of London(Simon and Schuster UK)
原作者:Santa Montefiore, Simon Sebag Montefiore
勝手に邦題:ロンドン・ロイヤル・ラビット隊1 シャイロの大冒険
概要と感想
「生きることは冒険だ。この世に不可能なことなどない。やる気と運、新鮮なニンジンと、しめった鼻先と、ほんの少しの度胸があればなんでもできる!」
いなかに暮らすウサギのシャイロは、体が小さく兄姉たちのいじめの的ですが、好奇心がとても強く、群れのおとなが近づくことを禁じている謎の老ウサギ、ホレーショの巣穴にこっそり通いつめています。ホレーショが聞かせてくれる「大ウサギ帝国」の歴史や、ロイヤルファミリーをお守りしていたロンドン・ロイヤル・ラビット隊(以下、LRR隊)のむかし話に夢中なのです。
シャイロはある日、森で三匹の巨大ドブネズミに出くわします。パパ・ラッチ親分の手下のラッチ一味は、女王陛下の寝室へ通じる秘密のトンネルを見つけたらしく、女王陛下のパジャマ姿を盗み撮りし、写真をウエブ雑誌に売り込んで全世界にさらす相談をしていました。
ホレーショは、ラッチ一味がLRR隊の宿敵だと教え、女王陛下をお守りするためにロンドンへ行き、LRR隊にこの危機を伝えるようシャイロに命じます。そして、LRR隊のメンバーは、前足の裏に赤い「しるし」があり、秘密の合言葉を使っていると伝えます。シャイロが、むかし話だと思っていたウサギの秘密組織は、いまも密かにロイヤルファミリーをお守りしていたのです。
農場の野菜を運ぶトラックに忍びこんでロンドンにたどり着いたシャイロは、ホレーショの指示どおり、グリーンパークでLRR隊のメンバーを見つけます。背が高くてハンサムな灰色ウサギのクルーニーは、「古い合言葉」を知っているシャイロに驚きますが、シャンデリアが輝き、数え切れないほどのウサギたちが忙しそうに働いているLRR隊の本部——バッキンガム宮殿の地下に作られた秘密基地——グランド・バロウに案内します。
特殊部隊隊長のゼノと化粧台係官のベル・ドゥ・ポーは、シャイロがパパ・ラッチ親分のスパイではないかと疑いますが、ウサギの掟にしたがって総司令官ネルソンとの面会を許され、作戦会議に臨んでいるネルソンとアメリカウサギのレーザーに会います。
ネルソンは、女王陛下が飼っているコーギー犬の犬軍団に殺されたと思っていた兄のホレーショが生きていたことに驚きながらも、ゼノとレーザーとシャイロに、ラッチ一味が探し当てたという秘密の入り口を突き止め、不埒な企てを阻止するよう命じます。
夜の闇にまぎれて女王陛下の寝室に忍びこんだ三匹でしたが、問題の入り口は見つかりません。朝が近づき、退却もやむなしと思ったそのとき、シャイロの敏感な鼻がひくひくと動きました。暖炉の奥から、ドブネズミの嫌なにおいが漂ってきます! ラッチ一味が寝室へと向かっているのです。
そしてそのとき、女王陛下の侍女に連れられて、女王陛下が飼っている犬軍団が寝室に現れます。後ろには恐ろしいドブネズミたち、目の前には凶暴な犬軍団、三匹の命は風前の灯火です…。
☆ ★ ☆
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今回は、小学校低学年向きの動物ファンタジー。全4巻のシリーズもので、ひよわないなかウサギのシャイロが、持ち前の好奇心と頭脳をいかして、ウサギの秘密組織の一員として成長していく冒険物語の1巻目です。
どれもストーリーが楽しくて、思わずシャイロを応援したくなるし、シャイロのわきを固めるLRR隊の面々が国際色豊かでとっても魅力的で、読んだらきっとお気に入りのキャラクターが見つかるはず。それに、ふんだんに使われているKate Hindleyさんのイラストがキュートなんです。記事が長くなりますが、主なキャラクターを紹介させてください!
![](https://assets.st-note.com/img/1715742558819-Pf9i4P7F24.jpg?width=1200)
左上から時計回りに、
ベル・ドゥ・ポー:宝石や豪華なドレスを身にまとうフランスなまりのメスウサギ。化粧台係官としての地位を利用し、女王陛下の宝石を「ちょっと拝借する」のが得意。
ネルソン:LRR隊の総司令官。ホレーショの弟。
レーザー:ホワイトハウス・ラビット隊から派遣された茶色のメスウサギ。体じゅうを星条旗の色に染め分けている。口は悪いが有能な戦士。
クルーニー:背が高く、ディナージャケットに赤い蝶ネクタイで決めたハンサムな灰色ウサギ。手鏡で自分に見とれるふりをしながら敵を監視する秘密諜報員。
ゼノ:ジャマイカなまりの大柄な黒ウサギで声もでかい。特殊部隊を率いる力自慢の隊長。気に入った相手を、親しみを込めて「モンスター」と呼ぶ。
ホレーショ:傷だらけの謎の老ウサギ。実は、LRR隊の元メンバー。
巻ごとに敵や新たな仲間が加わって、とても楽しく読めます。2巻以降も、折を見て紹介していきますね。
こちらで、かわいいイラストの動画が見られます。
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![佐藤志敦@推し活翻訳家](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/134612758/profile_f1b666f3e9462a7433c650275be984c1.jpg?width=600&crop=1:1,smart)