【健康・海外文化】栄養たっぷりドイツの黒パンって何?【後編】~ドイツのマイスター制度とライ麦パン~
前回の記事で、
日本におけるパンの歴史
について取り上げました。
日本にパンがどのように持ち込まれ
食文化として浸透していったのかや
世界でのパン事情など、
調べてみないと意外と知らない知識も多かったと思います。
後編である今回は、
世界の多種多様なパンの中でも、
とりわけ身体に良いとされる
「ドイツのライ麦パン(黒パン)」に
注目していきます。
ライ麦で作られたパンは栄養たっぷり!
ライ麦パンはドイツ、オーストリア、ロシア、東欧、北欧で食されている
日本でよく見るパンは
小麦で作られていますが、
海外には小麦以外の材料で
作られたパンも多いです。
色々な素材のパンがある中で
近年改めて注目されているのが
ライ麦から作られたパンです。
ライ麦パンは
ドイツやオーストリア、ロシア、
東欧、北欧で食べられています。
実はこの国々の中でも
ドイツのパン事情は特別で、
パンを作る職人に対して
『マイスター』という制度があります。
ドイツでは国に認められたパン職人『マイスター』がパンを作っている
2015年に、
UNESCOの無形文化遺産へ
正式登録されているドイツのパン文化。
ドイツは他国よりも
パンの種類が多いと言われていて、
その数なんと3,200種類以上。
圧倒的な種類の多さに驚きですよね。
そんなドイツには
専門的な技術を持った
スペシャリストを育成する
マイスター制度が様々な分野で設けられています。
職業訓練を経て、
国家資格を取得することで
ようやくマイスターへの道を
歩むことが出来るのです。
大工や足場組み職人など、
各業種にマイスターがいますが、
パン職人にも『マイスター』が存在します。
つまり、
国家資格を得て
国に認められてはじめて
パンを製造・販売できるのです。
ではドイツのパン職人、
『マイスター』が作るライ麦パンには
どのようなパンがあるのでしょうか。
次に見てみましょう。
ライ麦からできたドイツパン
世界各国から来た
多種多様なルーツを持つ人々が住むドイツでは、
もちろん小麦を使った白いパンも
販売されています。
ただ、寒冷地のドイツでは
小麦よりもよく育つ
ライ麦を中心にパンが作られています。
「ドイツパンってどんなの?」
という疑問を持つ方も多いですが、
一般的に「ドイツパン」と呼ばれるものは、
ライ麦の含有量が多いパンのことです。
ライ麦を使うと、
パンの色が黒っぽくなることから
「黒パン」とも呼ばれています。
味の面では、
ライ麦パンと相性の良いサワー種で
発酵させていることから、
独特の香りと酸味が特徴です。
栄養面は非常に優秀で、
ライ麦は小麦に比べて、
食物繊維とビタミンB群が豊富です。
この他にも
タンパク質やマグネシウム、
鉄、亜鉛、カリウムなどの含有量も
小麦をはるかに上回っています。
ちなみにドイツの黒パンは、
ライ麦や小麦などの穀類の配合によって
たくさんの種類に分類されています。
今回は、豊富な種類の中から
代表的なドイツパン4種類を
ピックアップしてご紹介しましょう。
①ロッゲンブロート(Roggenbrot)
ロッゲンブロート(Roggenbrot)は
ドイツ語で「ライ麦パン」を意味する、
ライ麦粉を90%以上使用しているパンです。
特徴として
・酸味が強め
・表面が硬い
・保存性に優れている
・食物繊維が多い
という点が挙げられます。
歯応えのあるパンなので、
薄切りにして食べるのが一般的です。
②フォルコンブロート(Vollkornbrot)
フォルコンブロート(Vollkornbrot)は
主に全粒粉を使ったパンで、
小麦もしくはライ麦等の全粒粉を
全体の90%以上使ったパンのことです。
このフォルコンブロートは
全粒粉の割合によって
更に以下のような種類に分けられています。
・ヴァイツェンフォルコンブロート(Weizenvollkornbrot)
:50%以上の小麦全粒粉を使用
・ロッゲンフォルコンブロート(Roggenvollkornbrot)
:50%以上のライ麦全粒粉を使用
・ハーファーフォルコンブロート(Hafervollkornbrot)
:20%以上のカラスムギ全粒粉
③メーアコンブロート(Mehrkornbrot)
メーアコンブロート(Mehrkornbrot)は
複数の穀粒粉を混ぜ合わせたパンで、
主に3~5種類の穀粒粉が使用されています。
よく使われるのは小麦やライ麦ですが、
他にもスペルト小麦、オートミール、
ソバなどが使われることも。
パン屋によって使う穀粒粉も分量も異なるので、
お気に入りのパン屋さんを探したくなるパンですね。
④ゾンネンブルーメンブロート(Sonnenblumenbrot)/ キュルビスケルンブロート(Kürbiskernbrot)
ゾンネンブルーメンブロート(Sonnenblumenbrot)は
パンの上部または表面に、
ひまわりの種をまぶして焼いたパンのこと。
そしてキュルビスケルンブロート(Kürbiskernbrot)は
かぼちゃの種をまぶして焼いた
パンを指します。
どちらの種も
パンと相性が良く、
食感も楽しめるのが特徴です。
下の写真のように
ビジュアルは少し見慣れない感じなので
初めて見た方は驚くことも多いです。
身体の内側からの健康のためにドイツパンがおすすめ
以上、代表的なドイツの黒パンを
4種類ご紹介しました。
内側から健康を作っていくためには、
普段食べるものに
こだわってみるのも一つの手です。
実は最近では
健康志向の方々に注目されたことで、
黒パンが日本のスーパーでも手軽に
買えるようになりました。
ここから年末年始にかけて
内臓に負担がかかる機会も増えていくと思うので、
今のうちから体調を整えておきたいもの。
普段、小麦の白パンを食べている方は
ぜひこの機会に
黒パンにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
参考資料
CNN
breadvillage
ドイツニュースダイジェスト
なにわサプリ
『SDGsオーガニックショップ 栞〜siori〜』
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