眠れるようになった話

わたしは元々どちらかというと睡眠の才能には自信があるほうで、
眠れなくて困るってことはめったになかった。

しかし一人暮らしの時分、3年ほど住んだ部屋を出て広めの部屋に引っ越してから、眠れない日が増えていた。
あんまり覚えていないけど、引っ越した当初からベッドに入って3時間ぐらい眠れないみたいなことが週1~2回ほどあり、
これは自分としては異常事態だった。

とはいえ眠れる日は眠れていたし、
環境の変化でたぶん身体が落ち着かないのかもしれないとか原因は大体想像がついたので、
まぁそこまで気にしてはいなかった。
けれど引っ越して半年くらい経った8月9月あたりでそれが悪化して、
朝方まで眠れないことでバイトを休むなど日常生活に支障が出ていた。

あるライブの前日、ついに眠れなすぎて精神がわりと追い詰められていたので、一旦整体の施術に行くことにした。

この整体の先生の腕は確かで、わたしは以前、１日に１回以上は足が攣って困っていた時期が1ヶ月ほどあったのだが、この先生の施術によってすっかり治ったことがあった。
しかしこの先生はややスピっている人であった。
いつもまず、目のあたりにめちゃくちゃ眩しい光を当てられるところから施術が始まる。
体内のミトコンドリアの生成を活発にしている？的なことを仰っていた。ちょっと怪しい…。
しかし整体？鍼灸？の腕がたしかなので、まぁいいかと思っていた。

眠れないことを相談すると、ふつうに整体のような施術を受けた上で、
「部屋に人（たぶん霊的なもの）がいる」
「南東に盛り塩をしたらいい」
というアドバイスをされた。

わたしは、小学生の時におばけを見たことがあることもあり、おばけとかはいると思っている派である。
だけど同時に、過度にスピってる人に対しては距離を置こうと思う派でもある。
EXILEのことは嫌いではないが、EXILEが好きな人とは仲良くなれなさそうという気持ちと似ているかもしれない…。

しかしとりあえず藁にもすがりたいぐらい眠れなくて困っていたわたしは、
家に帰って早速、適当な小皿に伯方の塩を適量円錐状に盛った。
盛り塩のやり方をググると、なんか円錐型の型に10g程度の塩を入れて形を作るべきっぽかったが、
円錐型の型なんてないので、適当に指で円錐っぽく塩を盛ることとした。

そして部屋の南東、ちょうどベッドの下に盛り塩を置いて眠ることとした。

眠れた。

その日はすごく眠れた。
久しぶりに眠れた。

もしかしたらふつうに
整体の施術が効いただけかもしれないし、
プラシーボ効果かもしれないけど
すごく眠れて、

わたしはシンプルに「盛り塩すげえ…！」と思った。

これによりわたしはオカルトな案件に対しての盛り塩の効果をやや信用している。

ところで、幽霊とかは、本当に存在するのか。
以前にわたしの好きなアイドルでもありイラストレーターでもある水野しずさんが、
インスタストーリーで「幽霊はいると思いますか？」というような質問に対して、
『環世界という概念があり、それぞれ生物は自分の感覚器で知覚したり、身体が作用する範囲を自分の世界だと考えている。生物ごとに環世界は異なる。ゆえに自分の目に見えるものだけを世界のすべてであると信じるのはナンセンスだと思う』的な回答をされていて、
この手の質問に対する全回答のなかで一番しっくりくるものだと思った。
※環世界とは、生物がそれぞれ独自の時間・空間として知覚し、主体的に構築した世界のこと(引用元：https://ideasforgood.jp/glossary/umwelt/）

つまり、赤外線や超音波を知覚できる生物もいるが、人間にはそれができない。
しかし人間に感知できないからといって、赤外線や超音波は存在しないわけではない。

そのため、人間が感知できるものだけが世界に存在しているわけではないと考える方が自然である
といった旨の回答内容だったたように思う（違っていたらすみません）。

わたしは、今まで幾度となく金縛りにあったこともあったし、おばけを見たこともあったから、
そういうオカルトのような世界があってもおかしくないというかあるのだろうとは思っていたけれど、
オカルトな世界あるのかどうか問題に対して、
この水野さんの回答内容はすごく腑に落ちるものであるように思えた。

あとわたしはなんとなく、おばけとかは最終的になんか化学式とかで表せる存在なんじゃないかとも勝手に思っている。

なんせ、原因不明で眠れなくて困っている人は、一度部屋に盛り塩をしてみるといいかもしれない。

また来世。

タイトル画像の撮影者：りょうたさん（ありがとぴあ）