DSR(デジタルセールスルーム) 製品としてのopenpageーDSRとは何か?
openpageは2020年に開発されたカスタマーサクセスのための製品であり、直近ではDSR(デジタルセールスルーム)として、法人営業用途でも活用されております。
DSR(デジタルセールスルーム)の情報は国内ではまだあまり多くないため、背景や機能、出来ること、日米企業、大手/ベンチャー企業の取り組みなどを整理していきたいと思います。
※動画でもわかりやすく解説しています。
DSR(デジタルセールスルーム)の背景にあるのは、法人における購買の複雑化と困難さ
DSR(デジタルセールスルーム)というセールステック製品のカテゴリは、Salesforceから始まる営業用SaaSの延長上にあるものです。
営業の業績管理ツールであるSFAが世界初のSaaSとして誕生した後、MAやオンライン商談、セールスイネーブルメントなどの製品が生まれた後に勃興したカテゴリです。
デジタルセールスルームの特徴は、営業課題を営業マンだけのものではなく、顧客の購買側(バイヤー)にも理由がある、というコンテクストがいま米国では流行っています。
営業担当は、法人営業をしているときに、「検討します…」と言われ、商談後に音信不通になることが多いはずです。
裏側には、社内の上司やチームに、営業から受けた提案を共有する(もしくは共有すらされずに)うえで、社内説明のロジックや熱意が不足してしまっている顧客の姿があります。
一方で、顧客が十二分に社内のステークホルダーを口説くことができ、会社として投資していきたいと合意が取れるから、契約がまとまり売上になるわけです。
DSR(デジタルセールスルーム)で営業相手となる顧客もエンパワーメントする
DSR(デジタルセールスルーム)の背景にある考え方とは、法人営業の困難さは、営業の提案力だけではなく、顧客の購買活動の大変さにも理由がある、というものです。
その意味で、DSR(デジタルセールスルーム)は「バイヤーイネーブルメントツール」、法人取引における顧客側の説明力や社内調整力の向上という側面を持ち合わせています。
従来のセールステックの製品は、営業担当側の業績管理や提案力アップという、営業担当に力を与えるものでしたが、上記のように顧客の社内説明力が商談が進まない要因になっているとしたら、営業ツールは顧客側のイネーブルメント(力をつける)の役割を果たす必要があります。
顧客自身が新しい投資をしたくても、反対されやすい企業組織にどこもなってしまっている。
年々、何かのツールを導入するうえで調整しなければならない項目や人数は増えている。
米国では、営業の記事を見れば、このような顧客の購買困難に関する統計データやストーリーが発信されることが増えています。
これに伴い提案が複雑化している。だから、顧客が購買しやすいように営業が工夫しなければならない。これがDSR(デジタルセールスルーム)の背景にある論理です。
DSR(デジタルセールスルーム)は、顧客側にも提案内容を共有する画面(サイトやアプリ)を営業が作り込み、顧客が社内調整をしやすいように整えるツールです。
営業として売るという側面に加え、顧客として買うという側面も持ち合わせています。格好良く言えば、バイヤーエクスペリエンス(BX)の設計ツールとも言えます。また、エクスペリエンス(体験)と言っても、法人取引なので、心地いい、好ましいという感情的な体験の話ではありません。法人間では、何かの仕事を上手くいかせたいがために取引が始まるので、顧客が仕事で上手くいく「カスタマーサクセス」の視点が必要不可欠です。
DSR(デジタルセールスルーム)で顧客の説明力が高まり、受注率が上がる
私も事業会社の企画職でしてSaaSツールやBPO、コンサルティングの購買を進めた経験がありますが、何か新しい取り組みを始めるには、これは上手くいくという確かな説明が社内に求められます。
なぜ取り組みを始めなければならないのか、どんな体制で始めるのか、目標をどう置くか、さまざまな選択肢の中で最適なのか、どう結果を出していくのか、これまでの取り組みと何が違うのか、自社が企てている今期の戦略とどう関係するのか…必要となる説明は、挙げ出すとキリがないくらい項目があります。
これを通すためには、営業資料にある汎用的な提案をただ流すだけでは、企画が通りません。社内のステークホルダーや目標を頭に入れながら、我が社が取るべき最適な提案として持っていかねばなりません。
これをスムーズにやり遂げるツールが、DSR(デジタルセールスルーム)なわけです。
このような顧客側の購買の事情を考えると、営業担当としても、顧客の状況に合わせ、顧客と協力しながら提案活動を進める必要があります。そのためには、顧客と共同でうまくいくための提案を練り込まなくてはなりません。
一方向ではなく、双方向。売るのではなく買う。短期の成約ではなく中長期のカスタマーサクセス。
SalesforceのようなSFAは、あくまで営業担当側が営業のフェーズや見込みを管理するために用いる「社内」向けのツールでしたが、DSR(デジタルセールスルーム)は顧客も取引を円滑に進めるために用いる「顧客」向けのツールであるという視点が新しいです。
openpageは日本初のDSR(デジタルセールスルーム)製品として開発
openpageは2020年から開発されたセールステックの製品であり、DSRカテゴリとしては国内で一番初めにローンチされています。
顧客のカスタマーサクセスを実現するため、法人間の案内をデジタル化し、取引における提案内容をDXする、テックタッチに出来るようにするという製品として生まれました。
これまで述べたように、法人取引とは一方的に営業担当が売りつけるものではありません。
法人である限り、契約後に関係が続く、なおかつ顧客側の業務改善の提案が主になるので、ほぼ必ず顧客側の協力も必要になります。
openpageは顧客と伴走していけるためのカスタマーサクセスのための案内のデジタル化、自動化を行える、カスタマーサクセスサイトを構築することが出来ます。そしてopenpageは法人営業の機能を大幅に拡張し、DSR(デジタルセールスルーム)としても進化していきました。法人営業を行なっていくための、営業提案サイトとして、営業シーンから顧客とカスタマーサクセスを考えられる製品に拡がっています。
openpageは顧客の提案を建設的に考えられるDSR(デジタルセールスルーム)
DSR(デジタルセールスルーム)はただの資料共有ツールではありません。顧客と提案を積み上げるプラットフォームであり、建設的に顧客と共に業務改善を考えていけるツールであるべきです。
考えるとは、結論から言えば「書く」ことです。DSR(デジタルセールスルーム)として活用されているときのopenpageは、顧客向けの提案として1万字以上、提案をまとめられるような機能があります。
この提案を、顧客の社内検討データを見ながらPDCAを回す、運用型広告のように営業提案を改善していくような機能も実装されています。
従来の営業提案は、パワーポイントで提案書を作り、対面やWEBの商談でプレゼンテーションし、あとは検討を待つのみ、というスタイルでした。
しかし、openpageがDSR(デジタルセールスルーム)の取り組みで行なっているのは、顧客と双方の情報をオープンにし、お互いに反応を確かめ合いながら、営業を進めていくスタイルです。
openpageのDSR(デジタルセールスルーム)は従来の30〜50倍の顧客情報を管理する
というのも、もともとカスタマーサクセス職の方はすでにそのような姿勢で法人顧客に向き合って提案をしており、お互いが考えを持ち寄り合いながら業務を進めるものです。法人営業においては仕事の提案をするわけなので、顧客についても一定以上の情報を知っておく必要があり、提案もこれに合わせて行う必要があります。
従来のSFAでは顧客情報の記入は2〜3行、300字も書けば書けているほう、というのが実態でしょう。しかし、openpageのDSR(デジタルセールスルーム)はその30倍以上の顧客の情報量を管理しています。
顧客の状況を熟考したうえで行うDSR(デジタルセールスルーム)上の提案は、従来の営業スタイルに比べ飛躍的な受注率の向上を実現します。
米国では既に一般化し始めているDSR(デジタルセールスルーム)による法人提案
従来の営業ツールは、営業の効率化を考えるとは営業担当の事務作業や提案作業を改善するものとして捉えていました。DSR(デジタルセールスルーム)は、営業担当の効率化の観点に加え、顧客の購買確率を高めること。購買する意味やロジックを与えることという側面が強いということがお分かり頂けたのではないでしょうか。
既に米国では、DSR(デジタルセールスルーム)での法人営業はよく見られるようになっており、1回の提案だけで通らない顧客提案を、DSRも使いこなしながら、複数回のコミュニケーションを通して上手く顧客稟議を通すツール、という立ち位置で活用されています。
日本以上にSaaS/クラウドが発達している米国市場は、データドリブンの営業スタイルをさらに拡張させています。DSR(デジタルセールスルーム)は、顧客への提案の反応状況や課題意識、ステークホルダー間の興味や真剣度合いといったデータが取得出来るので、これを法人営業の取り組み改善に活用しています。
日本のDSR(デジタルセールスルーム)の活用状況:大手企業のPoCが拡大
日本では、openpageが既に大手製造業、大手商社、大手情報通信などの企業様で、DSR(デジタルセールスルーム) のPoCや本格的な有償運用が進んでいます。
いま、日本企業の状況として構造的な問題なのは、終身雇用で活躍してきた法人営業の猛者たちが定年退職を迎え始めることです。
日本の社長の平均年齢は60歳、引退時の平均年齢は70歳近くという帝国データバンクでのデータがあります。とすると、役員も60代近く、部長は50代といった年齢になります。
近い将来に、定年退職により希少な営業資産(数十年勤めあげた優れた営業担当たち)が失われてしまう大手企業は、再現性を持って若い営業組織でも売上を維持・拡大するための営業体制構築に着手しなければなりません。
その場合におけるDSR(デジタルセールスルーム) の役割は、大手企業の営業提案力を資産として会社に残すことです。営業提案内容をデジタル化していき、ITツールの補助で高い営業力を維持しなければなりません。
ベンチャー企業はDSR(デジタルセールスルーム)で大手取引を攻略
一方、ベンチャー企業は大手企業と取引をしていくうえでの提案力向上が強く求められています。SMB向けの営業提案は、低単価でなるべくコストパフォーマンスのよい営業を進める必要があり、そのシーンにおけるDSR(デジタルセールスルーム) は、営業提案の自動化に焦点が当たります。一方、大手企業に対しては、これまでSIと組み立ててきた顧客社内のシステムや、蓄積されてきた業務フローを加味して、顧客の業務変革のためのカスタマイズ提案をしていく必要があります。
大手企業もベンチャー企業の取引を歓迎し、新しいものをどんどん取り入れたい方もいらっしゃるのですが、保守的な方もいらっしゃいます。そうすると、法人営業は反対派の意見も汲み取りながら、大きな組織を変えていく経営コンサルタントのような提案力と調整力がいります。そのため、直近でベンチャー企業や大手企業様のDX新規事業のシーンでは、営業担当がこの顧客調整を上手く進められるようなDSR(デジタルセールスルーム) の活用を模索されています。
DX事業立ち上げとDSR(デジタルセールスルーム)
弊社は大手通信企業様や、大手製造業企業様の取引をしているのですが、近年、自社のDX/デジタルの製品を立ち上げて、サービスモデルの売上比率を高めようと挑戦している企業様からの相談が増えています。
DX製品はBtoBである限り、ほとんどがSaaS/クラウドであり、SaaS製品の営業活動においては、これまでと異なる営業スキルが求められます。新しい営業スキルをSaaSベンチャーから学ぼうとする大手のご担当者の方も増えていらっしゃり、DXが進行していくにしたがい、営業提案自体のDXであるDSR(デジタルセールスルーム) も同様に普及していくでしょう。
DSR(デジタルセールスルーム) の取り組みはopenpageへご相談を
openpageは伊藤忠テクノロジーベンチャーズ(ITV)様よりご出資を頂いているベンチャー企業で、昨今は営業組織のデジタル改革の文脈でのご相談も増えています。これに伴い、営業活動のDSR(デジタルセールスルーム) 適応を提案しております。
DSR(デジタルセールスルーム) の試してみて、営業の生産性を改善したい。自社の営業力低下をなんとかしたい。DX製品の業績を伸ばしていきたい。大手企業への取引をうまくこなしたい。そんなニーズにお応えできると思いますので、DSR(デジタルセールスルーム) にご興味がある方はお気軽にopenpageにご相談ください。