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イラストレーター、手芸作家向け「仕事とお金の授業」#4 仕事辞めます!

こんにちは大図まことです。今日の授業は#2 打席に立つの続きです。#3 合同展へ行こう!についてはまた順を追って時系列で詳しく書いて行きたいと思っています。

実際前回のnoteを見てギフトショーへ行った人はいたのでしょうか?私は東京に大雪が降った日の翌日、展示会初日に出展者として出ていたとき隣同士のブースになって仲良くなった西海陶器のデザイナー阿部さんと一緒に行きましたよ。会場では四国で色んな針を作っている工場と滋賀の焼き物工房、石川のニット工場と名刺交換をさせていただきました。普段生活してたら決して会う事が出来ない中の人たちと直接顔を合わせてお話し出来るのは合同展の良さですよね。面白いものが出来る予感がします。お楽しみに!

▼前回のnote

前回の続き
酒屋のアルバイトの休憩時間に図書館で見つけた手芸本に運命を感じ、今いる居心地の良い環境を捨てて手芸に少しでも関連のある会社で働きたいと履歴書を送りまくった結果、新宿にある老舗手芸店で働くことになりました。

無事正社員として採用されたはいいものの給料はアルバイト時代より下がってしまい結局実家に戻り2時間弱掛けて通勤することになりました。朝6時半に起きて夜10時に家へ帰る生活が始まります。急に手芸に目覚めたと言い出した謎息子ですがバイト生活からやっと安定した会社勤めをしてくれたと親は喜んで毎朝車で駅まで送ってくれました。当時はそれくらい本当に就職難だったと思います。

入社した手芸店は1階から7階まであるフロア全てが手芸材料という世界でも珍しい大型店舗でした。一番最初に配属されたのはリボン・レース売場です。行ったことが無い人はなにその売場?と思う人も多いかもしれませんがリボンとレースだけがワンフロアに数千種類も陳列されている文字通りのリボン・レース売場です。

手芸店のスタッフと聞くとどんなイメージですか?ニコニコ優しいエプロン姿の女性がテキパキと働いているイメージが浮かびませんか?しかしながら私が配属された売場は自分を含めて野武士みたいなむさくるしい男性が4名もいる一見手芸店とは思えないような戦場でした。服飾系の学生や芸能関係の衣装を作るお客さんが沢山いていつも忙しかったです。太っていた私は支給されたエプロンのボタンが後ろで締まらず売り場で売ってた革紐をワイルドに結びつけて戦いに挑んでいました。

話が脱線してしまいますが手芸店スタッフあるあるでエプロン装飾しがちという傾向があります。少しでも他のスタッフと違ったエプロンを着けて個性を出したい手芸店員ははじめポケットに可愛いマスコットがついたボールペン1本から始まり2本3本と増え、だんだん麻痺してきてネームプレートにスワロフスキーを付けたり、見えないエプロンの裏地に龍のワッペンを貼りだしたりします。今でも仲の良いTさんは麻痺しすぎてマラボーというフェイクファーが紐状になったパーツをエプロンの縁全体に取り付けてそれはさすがにやり過ぎだろうと上司から注意されたという伝説を残しています。

話を戻します。
配属されたリボン・レース売場にいた私以外の先輩野武士達は次々に退職していきました。一人は革バッグを作る職人になり、一人は演歌歌手の衣装を作る仕事をしていて、もう一人は現在行方不明です。みんな物を作ることが好きな人達だったので私と同じ思いで働いていたのだと思います。

私は部署を異動するなどして3年在籍したのですが最終的にその手芸店を辞めることを決心しました。安定した収入は入るけど、とにかく忙しくて自分の創作活動をする時間は全く取れず、環境を変えないとこのままズルズル仕事を続けることになり本来なりたかった手芸作家にはなれないと思ったのでした。30歳になるタイミングだったのもあります。もちろん親からも同僚からも反対をされました。安定が一番だと。そんな甘い世界じゃないと。

現在私が運営するギャラリーでご一緒する作家さんのほとんどの方が当時の私と同じようにバイトや会社勤めしながら絵を描いたり手芸作品を作ったりしています。イラスト一本、手芸一本という方はとても少ないです。今このnoteを読んでいる方の多くもそうだと思います。どちらが良いかはわかりません。向き不向きもあると思います。

その中一昨年、去年と合わせて5名の展示をご一緒した作家さんから今の仕事を辞めてイラストレーターとして独立されると報告を受けました。理由は当時の私と似たような考えだと思います。

本人が色々考えての決断だと思うので全力応援しています。失敗することは決して無いです。経験者だから言えます。成功するまで続ければいいだけだからです。

もし続けられない理由がお金だとしたらその解決策は沢山あります。
来週からはいよいよ手芸作家としての収入のみでどうやって生計を立てて行ったかを独立初年度から具体的に書いていきたいと思います。

本日の課題
4年前に書いたnoteをより具体的に掘り下げて行きたいと思うので読んでおいてください。


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現在私が運営している蔵前のギャラリー「TOKYO PiXEL. shop & gallery」では2/25(日)までイラストレーターumaoさんの個展を前後期に分けて開催中です。お近くの方は是非お立ち寄りください。通販もやっています!

手芸作家むくりさんの通販もお見逃しなく!




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