【#88】史上最も売れたゲーム機!!
2000年(平成12年)6月11日【日】
半蔵 中学校2年生 14歳
その機体は予想以上に黒かった。
青色で書かれた文字がアクセントになっており、美しさとかっこよさが共存している。
「これが、プレステ2・・・・・・」
セガ派の僕も、驚嘆せざるを得なかった。
「ゲーム画面見たら、もっとビビるぞ」
イイケンが、早速電源をつける。
「え!?これがゲーム!?」
セガサターンの『ナイツ』を圧倒的に上回る美しさが、そこにはあった。
これから、ゲームは一体どうなっていってしまうんだろうか?
「やりたいだろ?俺はコレ読んでるから、やってていいよ」
イイケンは、足元に置いてある『うしおととら』という漫画を指した。
画面はきれいだが、めちゃ難しいリッジレーサーVをプレイしていると、電子音が鳴った。
藤井隆の『ナンダカンダ』である。
「あっ!ケータイじゃん!!」
「そう、2年生のときのテストの結果がよかったから買ってもらったんだ。着メロ作るの、大変だったんだぜ?」
ケータイ・・・・・・。
クラスの子も、ちらほら持っている子が増えている。
お母さんも持っているが、僕は使わせてもらったことがない。
「あ、親父からだ。こんなメール送ってきおって。見るか?」
イイケンは、お父さんことをすっかり『親父』と言うようになっていた。
お母さんが病気で亡くなってから、イイケンとおじさんは二人で支え合って生活している。
呼び方が変わっても、ずっと仲のいい親子だ。
ケータイの画面を見せてもらうと、たしかにちょっと面白いメールだった。
「ラーメンが『らめーん』になっとるじゃん」
「それに、|『本文』じゃなくて『件名』に全部書いてある《※》し」
「最近会ってないけど、おじさん元気?」
「ちょっと仕事が忙しくなっとるけど、俺以上にプレステ2やってるよ」
「ケータイって、中学生に必要なのか?」
「あると面白いかな。ほれ、『まめぞう』。めっちゃかわいいだろ?」
たしかに、画面の中のキャラクターは、可愛げがある。
たまごっちみたいなもんだろうか。
「それにな。ケータイがあると、クラスの女子とメールできるんだぞ」
女子か――。
クラスの友人も、最近は女子の話ばかりしている。
『誰々が可愛い』とか『アイツとあの子が付き合ってる』とか・・・・・・。
それでも・・・・・・
それでも僕は、ケータイよりプレステ2がほしいな。
(つづく)
解説【プレイステーション2】
平成12年3月4日(イチニサンヨン)に発売。ゲーム機史上で最も売れた(1億5500万台)である。
名作が多く、今でも遊んでいる人がいる👇👇
なんといっても、「アーケードゲームを追い抜いた」と言われる美麗なグラフィックが特長だった。
特に、『ファイナルファンタジーⅩ』のムービーでその美しさに虜になった人が多いのではないだろうか。
『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ』では、主観機能が搭載され、ゲームの中に入り込んだかのようにプレイできた。
当時、普及しつつあったDVDを再生できるという素晴らしい機能があった。プレステ2があれば、DVDプレイヤーなど必要ないのだ。
また、初代プレステのゲームが遊べた点も、ユーザーにとって嬉しかった。そのうえ、プレステ2で初代プレステのゲームを遊べば、少し美しなったグラフィックになるうえ、読み込み時間も短くなるのが喜ばしい。
1999年の製品発表会でプレステ2が発表されたときは、発表会には姿を出さない出井伸之ソニー社長(当時)が出席し「あまりにも素晴らしいものができたので応援に来た」と発言した。
発売当時はその性能の高さと、比較的手頃な価格や本体サイズ故に「兵器転用の恐れがある」とされ、外国為替および外国貿易法上の『通常兵器関連汎用品』に指定されて輸出規制がかけられた事がある。
この記事を書いていて、無性に『ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁』のプレステ2版がやりたくなってきた・・・・・・。
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