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極楽征夷大将軍

垣根涼介  2023年

・あらすじ

動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。足利直義は、怠惰な兄・尊氏を常に励まし、幕府の粛清から足利家を守ろうとする。やがて後醍醐天皇から北条家討伐の勅命が下り、一族を挙げて反旗を翻した。一方、足利家の重臣・高師直は倒幕後、朝廷の世が来たことに愕然とする。後醍醐天皇には、武士に政権を委ねるつもりなどなかったのだ。怒り狂う直義と共に、尊氏を抜きにして新生幕府の樹立を画策し始める。

『極楽征夷大将軍』の帯より引用

・感想

前々から、直木賞を読んでみたいと感じておりました。思い切って今回勝ってみることに。とても、ページ数が多く結構難しいと感じましたが、面白かったです。

「極楽殿」と称された尊氏を、弟・直義、足利家家宰・高師直の視点から描いた作品でした。皇室などが絡んだり、外部から責められたりする中で、弟想いや政権を放棄など、とても破天荒な様子が描かれておりました。日々、戦ばかりで、いつ自分が命を落とすかも分からない混沌とした状況のなかで、しっかりとしているけど、どこか抜けている部分もある将軍の様子が描かれておりました。こういった部分にとても読み応えがあったと考えております。

学校の歴史の授業で教わったものは、客観的なものが多いと思いますが、こうして誰かの視点から描かれた作品を読んでみることで、より臨場感があるように感じました。学校の教科書だけでは知ることの出来なかった内容でした。

時代物は、まだそんなにたくさん読んでいるわけでもなく、相当理解に苦しいと感じながら読みました。しかし、こういう作品は難しいけど、内容をしっかりと理解すると面白さが分かると思うので、いつか再読したいと思っています。

他にも直木賞の作品、読みたいと思っています。読了したら紹介します!

・書籍情報

初版刊行年:2023年
刊行元:文藝春秋
定価:本体2000円+税
ISBN978-4-16-391695-8
備考
初出 オール読物 2020年5月号~2022年11月号
書籍化に当たり、加筆修正された。

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