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その拳を追いかける 1
最初の印象は最悪だった
他人を小馬鹿にした言動で、私もバカにされた
今は別に悪気があった訳じゃないのはわかるけど、その時は本当に頭にきた
なんでそんなこと言われなきゃいけないのか
言われるにしても言い方はどうにかならなかったのか
…言い方は今でもどうにかならなかったのかと思うけど
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
??:ヤバいヤバいヤバい
駅に向かって走る影が1つ
その拳を追いかける 2
??:邪魔、通してくんね
突然、声をかけられてカツアゲをしていた男たちは胡乱げに、背後から声をかけられた形になった正源司は驚きつつ視線を向けた
正源司:(邪魔って…助けるつもりならもっとマシな言葉があったでしょ?)
??:聞こえなかった?邪魔、退けろ
“おいおいおい”
“俺たちは大事な話してんだよ”
“ちょっと面倒かもしれないけど、遠回りしてくんね?”
正源司:別に私は話すこと無いん
その拳を追いかける 3
入学式、オリエンテーションを兼ねたLHRも終わり、高校生活初日は無事、終了した。
平尾は高校近くに住んでいる(しかも駅とは逆方向)ため、早々に別れ、駅への道を1人歩く正源司
正源司:特に何かしたわけじゃないけど疲れたぁ
自己紹介滑ってたじゃないですか
正源司:余計なことは言わないでくれませんか?
表情は笑っているけど目が笑っていないです、怖いです
正源司:ん?
おふざけはこの程度にし
その拳を追いかける4
??:最初の動き、見てなかったの?
意識がトび、リーダー格の男は聞こえないが、そう疑問を口にしつつ残心をする少年
??:ねぇ
モブ1:あ“?
リーダー格が確実にないことを確認した少年は最初、股間に膝蹴りをしたモブその1に声をかける
??:2人が起きたら伝えといて、オレに2度と関わるな、って
モブ1:んで、俺が…
??:それとも、まだやるの?
??:もう……加減しないよ?
モブ1:
その拳を追いかける5
“ありがとうございました!!”
休憩終わりはまず、柔道部が乱取りと共に紹介をした
平尾:やっぱ生で見ると迫力があるね
正源司:この距離でも振動が…
平尾:よーこは慣れてるんじゃないの?
正源司:全然別だから!!
正源司は、小学生時代に空手をしており、そのことを知っている平尾だったが
正源司:それに、自分がやっている時は気にしてなんていられないし
別物であると否定する
“次は空手道
その拳を追いかける6
エース:(もらった……ッッ!!!!)
◯◯:(い、、、、まっ!!!)
ほとんど下段蹴りに近い足払いが当たる瞬間、いわゆる膝カックンの要領で◯◯は膝の力を抜き、曲げてインパクトの瞬間をズラした
正源司:ウッソ……
エース:(なっ!?クソッ!!)
平尾:すごっ!
もしこれが内腿側ではなく、外腿側だったら、あるいは意趣返しでダメージを与えるための膝関節部分狙いではなくちゃんと倒すための足首狙
その拳を追いかける7
部長に形だけの謝意を示した後、ステージ脇の倉庫に入った◯◯は、そこに先に用意していた道着と黒帯に着替え、防具をつけていた
女生徒:なんで私が見張んないとなの?
◯◯:男共だと筋肉がどーのとか喧しいし遅くなるから
◯◯:こっち見ようとしないしちゃちゃっと終わらせないとってプレッシャーもあるしちょうど良かった
女生徒:…さいですか
女生徒:何か奢ってね?
◯◯:自販機のジュースで勘弁
女