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まろにゑ第90号・一首選
頂いた「まろにゑ90号」2024年6月号より、各連作から一首選をしました。
ガリガリに痩せしライオン悲惨さがいや増す写真ガザ動物園
池田 祥子
連作の前半はニュースなどの時事詠。
後半は作者のペットのイシガメの「カメグチくん」についての短歌群。
切り枝に桜ほころぶ わたしにも適応力と再生力を
座馬寛彦
※添え書き
「自然は生産性ではなく再生力、効率ではなく適応によって成り立っている。」
ジェレミー・リフキン
(朝日新聞二〇二四年一月七日「(対談) 気候危機と人類の今後」より)
連作は子育てが実感のある内容で描かれている。
そのうちの社会詠の一首。
心理学の要素だけではなく、添え書きにより自然科学や植物学的な側面が付加されている。
祈れどもただ祈れども失せし街 疾く春をよべ能登の太鼓よ
南雲 和代
能登をテーマにした連作のうち、力強い祈りの一首。
低空を飛び交う鳥のくちばしに餌となる虫のはかなき春よ
福田 淑子
内容の良さに加え、
「はかなき春」の部分で、「は」で韻を踏んでいるというさりげない技巧が光る一首。
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