周りの風景に溶け込む
周りが動いていると
あたかも自分が取り残された感覚になる
日常の風景に見える無機物のような感覚
それなのに時間は動いていて
ただただ、劣化していく
自分は何もしていないのに
「動いていく周りと変化していく自分」
の矛盾に嘆くことがある
身体には手足があって
確かに「動ける」はずなのに
なぜ取り残された感覚があるのだろう
問いただしても「硬い」頭は何も生み出さない
心が怯えているからかもしれない
本当にふわっとした考えが浮かんだ
心が動いていないんだ
恐怖、不安、孤独、虚無、不信
動かさない理由はいくらでもあって
簡単に土台を固めているんだ
それでも「取り残された感覚がある」のは
動きたい証拠でもある
足元は土台で固められているけど
上半身は脱出しようともがいている
その必死の姿はきっと
周りの風景には溶け込んでいない