先日、スタッフの結婚式に参列してきました。22歳か23歳のときに面接に来た入社8年目になる女性のキッチンスタッフの結婚式です。 彼女のドレス姿を見て「きれいだね」といってあげないといけないんだけど、なぜか照れくさくてうまくいえなかったです(笑)。というのも長い時間一緒にいて、子どもみたいなものだから。どこか甘酸っぱいような、なんだか恥ずかしいような気持ちでした。 人それぞれの人生があって その人生を守るために仕事をしている結婚式にはコロナ禍もあって3、4年出席していません
先日(2023年10月20日付、厚生労働省から「新規学卒就職者の離職状況」)が公表されました。2020年3月に卒業した新規学卒就職者の3年経った現在の離職状況を取りまとめたものです。 高校卒業と大学卒業別にみると「宿泊業,飲食サービス業」がともにもっとも離職率が高い業界と報告されています。実際の数値を見てみると、高校卒が62.6%、大学卒が51.4%で、半数以上が離職しており、全体の平均がそれぞれ37.0%と32.3%であることを比べても、ひじょうに多いことがわかります(出
先日ある人と話していたときに「人の意見を素直に聞けないことが多いのは、プライドが高いからなんでしょうか」という話になりました。 人にネガティブなことをいわれると瞬発的に頭にきて反論しちゃうそうですが、時間を置くと「そういう意見もあるかも」と思い返して反論したことを後悔するんだそうです。 そういう瞬間は、じつは僕にもあるんですよ。 人からネガティブなことをいわれて、ムカッとすることは誰にでもあります。むしろムッとしない人はいないと思います。だから僕は「あんまり深く考えない
飲食人の人生とひと口にいっても、いろいろな選択があると思います。 修業先から独立して初めての店舗を構えて少しずつお客様が増えていくなかで、従業員を増やしてもっと多くのお客様に楽しんでいただくようにするか、規模はそのままに料理やサービスのクオリティをあげていくか。そもそも独立をせず、信頼するオーナーのもとで働きつづけることを選ぶ人もいるでしょう。 それぞれが正しいとか間違いではなく、僕はどの選択も素敵なことだと思っていて、飲食人の数だけ選択の数はあると思っています。 それ
授業中の早弁が背徳感による楽しさの根源最近、まわりの方々のSNSを見たり、実際に街の様子を観察しているなかで考えたことに「昼飲み」があります。新しい飲食のビジネスモデルとして昼飲みを活かした店づくりに可能性があると感じているからです。 昼間からお酒を飲む昼飲みには、人の道を外れたうしろめたさ、いわゆる「背徳感」があります。この背徳感には、みなさんのなかにはネガティブなイメージがあるかもしれませんが、僕にはないんですよ。むしろ楽しいことで、たとえば学生のときの早弁と一緒だと思
先日、尊敬する「サイタブリア」の石田聡社長と対談をする機会がありました。 とても刺激的な意見交換ができたなかで、僕は「顔が見える店」という話をさせてもらいました。その後、自分でも改めて考えてみたことを、今回は書いてみたいと思っています。 これからの飲食店は「再現性」より「最適化」飲食店において料理や接客などのサービスに対して「再現性」という言葉を使って、いつ・だれが・どこでも同じようにサービスができることを目指すものです。 これについて、賛否両論あると思うのですが、僕自
緊張は、相手への敬意から生まれる4月から新年度が始まります。新社会人や新入学など新しい環境での生活をスタートさせる人はもちろん、新しいプロジェクトやチームがスタートする時期で、新しい出会いが多くなります。 初めての出会いや新しい生活に、「ちゃんとなじめるかな」とか「うまくやっていけるか」と、不安に感じている人もいるかもしれません。 僕も、誰よりも緊張するほうです。 オーナーシェフになっていろいろな経験をしてきたつもりですが、それでも緊張しないことはありません。初めてテレ
自分のことは自分がよく知っている先日、ある会話のなかで「自分の良さって気づきにくいですよね」という話題になりました。 僕は、まわりの人の良いところを見つけるのが得意です! というのも、人の個性を良いものとするのか、悪いのものとするのかは、考え方で決まると思っています。 たとえば、相手にちょっと短気なところがあったとしたら、「短気って人よりよく気付くってことなんじゃないかな。気づいちゃうからイライラしてしまうんだと思うんです。それなら、気づいたことを相手にうまく伝えてあげ
年が明けたばかりに真夜中の街を走るクリスマスを過ぎると、気分はお正月。お会いする方々から「奥野さんは、年末年始はどうされるのですか?」というようなことをよく聞かれるようにうなります。 ラ・ブリアンツァの六本木本店は、年末年始休まずお客様をお迎えしておりますので「仕事なんです」とお答えするわけですが、じつは年明け早々の過ごし方については、ちょっと珍しいことを10年以上続けています。 年が明けてすぐ、1月1日の夜中(朝?)に、新年の街を走っているのです。 普段から走っている
「人材は宝」ということは、以前のnoteにも書いたことです。来年は、1月にヤンマーさんの新店舗の開業や、麻布台にも新しいお店を出す予定がありますし、仲間がたくさんいてくれることは、とても心強いことです。 ブリアンツァグループでは、調理スタッフ、サービススタッフ、アルバイトスタッフともにつねに募集しています(募集内容)。そこで今回は、ブリアンツァグループに入った新しいスタッフや、それを迎える先輩のスタッフに向けて書いてみたいと思います。 「昔はこうだった」といっても意味がな
前回の投稿も、たくさんの方に読んでいただきありがとうございました。noteでは、イタリアンレストランのオーナーシェフである僕が、普段、考えていることをお店のスタッフに語りかけるつもりで書いています。 指導者や恩師といった意味のある「メンター(Mentor)」がいることの大切さについてです。 メンターと上司の違いは、双方の対話優れた指導者や助言者、恩師、信頼のおける相談相手といった意味のあるメンターは、ギリシア神話の英雄オデュッセウスが、戦地に向かう前に子どものテレマコスを
前回の投稿も、たくさんの方に読んでいただきありがとうございました。今回も、普段、僕自身が考えていることをお店のスタッフに語りかけるつもりで書いていきたいと思います。 投稿に少し時間が空いてしまいましたが、その間、日本中のお米の産地におじゃましてきました。各地で感じたお米のことについて書いてみたいと思います。 日本人が一番語れる食材の「お米」8月から9月にかけて、日本各地を旅をしていると、一面に水をはった田んぼが広がり、収穫を待つ稲の穂がキラキラと輝く美しい風景に出会います
前回の投稿も、たくさんの方に読んでいただきました。コメントを書いてくださったり、いいねやスキを押してくださり、いつもありがとうございます。noteでは、普段、僕自身が考えていることをお店のスタッフに語りかけるつもりで書いております。 前回書いた、旅をする目的のひとつに「語学を学ぶため」ということ挙げておりました。今回は、そのことについて詳しく書いてみたいと思います。 言葉は、コミュニケーションのツール僕は、イタリア語と英語を話せますが、話せると言ってもほんの少し。料理を作
前回の投稿も、たくさんの方に読んでいただき、ありがとうございました。「ACiD brianza」も6月25日に無事にオープンを迎えることができ、ほっとしております。コメントを書いてくださったり、いいねやスキを押して応援してくださった方、本当にありがとうございました。 普段、僕自身が考えていることを書いているnoteの今回は、旅について。6月から国外からの入国検査が緩和されてきましたし、旅が好きな僕もそろそろ海外旅行に出たいと思い始めています。もちろんコロナが終わって最初に行
前回の投稿も、たくさんの方に読んでいただき、本当にありがとうございます。コメントを書いてくださったり、いいねやスキを押してくださっただけでなく、わざわざ直接メッセージを送ってくださった方もいらして、とてもうれしい気持ちでいっぱいです。 引き続き、僕自身が普段考えていることを中心に、noteを書いていこうと思っています。今回は、少し思い出話にお付き合いいただきながら「ラ・ブリアンツァ」というレストラングループがどんな場所でありたいかということを、お伝えできればと思っています。
前回、初めて書いたnoteを読んでフォローしてくださったり、いいねを押してくださったり、直接コメントをいただいたりと、たくさんの反響をいただいてとてもうれしかったです。お読みいただいた方々、どうもありがとうございました。 これからも月に1回くらいのペースで、僕自身が普段考えていることを中心に、noteを書いていこうと思っています。よろしくお願いいたします。 今回は前回の投稿でも書いた「経営を整えてスタッフの待遇もきちんとし、外の業界の人に堂々と見せられる会社にしようと決意