飼育日記⑦

さいきん、わたしの生活は順調だと思う。

イヌとの距離感がわかってきたし、自分の感情にも折り合いがついてきた。

イヌは、どういうタイミングかはわからないが、わたしにしがみついてくることもある。

わはは、ここまで下書きにありましたが、イヌはまたも出ていきたいと宣った。そしてその後、まだ家にいる。

一時の感情に左右されすぎている、イヌは。まあワンちゃんなのでそれに関しては仕方がない。逐一それに振り回されているわたしの方が愚か。

そういう風に考えるようになった。互いの関係性はいまだ綱渡りではあるが。直近の出ていきたい話のなかで、彼は自暴自棄になったら自死するということがわかった。

そして、いつまた出ていくと言われるのか、綱渡り状態である。

前回から何度か関係の危機に瀕しているし、今回はわたしも腹を括って、彼は出ていくのだ、と思っていた。

それにも関わらず、特段何も言わずに平気で家にいるし、わたしはそれに対してなにも言わない。結局、わたしは彼がかわいくて仕方がないのだ。それに、失いたくもない。

まあ、追い出したのちに自死されるとこちらもどうしても後味が悪い……というのも、要因のひとつではあるが。

イヌは一般的ではない、と書いた。真実、かれは婉曲過ぎた。彼は精神疾患を患っている。おそらく手帳は持っていないが申請すれば取れると思われる。

そしてわたしもおそらく、診断が下るかはわからないが特性があり、そして現在メンタルクリニックに通院中だ。

いわゆる社会不適合者同士で暮らしていることが不思議で仕方ない。いや、同士だからこそうまくいっているのか。

最近は、イヌが遊びに出掛けて家を空けることが嬉しい。わたしは日中に仕事、イヌは夜間に仕事に行っているため、ひとりの時間は大抵寝ているのだ。

以前は遊びに出かけらるのが嫌で嫌で、ゴネて、家を出ていく話にも発展していたが、あれは恋愛でよくある初期の症状だった。

いまでは数日前から、この日に家を空ける、と楽しみにさえしている。ひとり時間がないのは辛い。

確証はまだまだないが、前よりは一緒に暮らしていける気がしている。家は手狭なため早く引っ越したい。

そういえば、家賃と生活費を月々支払わせることに成功した。たすかる。また勝手に出て行かれない限り、日記も更新していきたい。

終わり・

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