食い尽くし系
これまで普通に出来ていたこと 好きだったことが突然出来なくなって途方に暮れた.
毎日湯船に浸かることとか化粧することとか 本を読むこととか音楽を聴いたり歌ったりすることとか動画を観ることとか買い物とか誰かと笑って普通にお喋りすることとか他にも沢山. とうとう日常生活が送れなくなって実家に逃げ帰ってきた.
車が無いとコンビニにも行けないような田舎で 駅もバス停もない. 免許はあるが運転が恐ろしくて車を持たない私は買い物に行くのも美容室に行くのも役所に行くのも全部母に送り迎えしてもらう. 自力で行ける範囲に働く場所もないので仕事もせず家から出ない日が続く.
家族以外の人間に殆ど会わず仕事もせずほぼ1日ベッドの上で過ごしていると 自分がなんで生きているのか分からなくなる. これまで政治や経済 語学 文学 色々なことに興味があったが全て「こんなこと知ってなんの意味があるんだろう」「自分には関係無い」「知識を入れたところでどうせ何も変わらないし良くならない」という考えでいっぱいになる. きれいになってもどうせ意味が無いと身だしなみにも気を遣わなくなった.
実家に帰る少し前から摂食障害の症状が悪化していた.
折角ダイエット地獄から抜け出し カロリー計算からも解放されて 標準体重より少し軽めを維持していられたのに… 過食症も良くなったと 治ったと 思ったのに…
どう頑張っても 沢山食べることをやめられない. お腹は空いてない. 食事を摂ってお腹は満たされているのに それでも何か食べたいもっと食べたいという気持ちが1日中消えなくて他のことが手につかない日が続く. 特にカロリーの高いもの 甘いものやこってりしたもの 揚げ物が食べたくて仕方がない. 空腹感を感じる間がなくなりいつも胃が不快で身体は重くて その不快感を早く解消したくて食べたものを吐く. みるみるうちに身体は浮腫み顔は吹き出物だらけになり体重は5キロ増加した. 痩せたいとかダイエットしなくてはという気持ちより食べることへの欲求が強く食べ物のことばかり考えて夢の中でまでなにか食べている始末.
たくさん食べているところを見られたくないので 家族が居ないときを狙ってコソコソ食べる. 母が取り置いていた家族の分の夕飯のおかずを勝手に食べ尽くし叱られることもあった. 消えてしまいたいほど恥ずかしいのにやめられない.
鬱状態で家に籠もっているくせに 食べることに関してはものすごく執着する. そんな自分が情けなくて申し訳なくて 心も身体もみっともなくて嫌だ.
10月に入ってから ほんの少しだけ過食の症状が和らいできた. 体重増加によって身体が飢餓感を覚えなくなったのかもしれないし 病院で貰った薬の効果で衝動性が抑えられたのかもしれない.
食べ物に頭が支配されていないときは 軽い家事や運動 読書が出来る. ささやかだけれど その時間が嬉しいし安心する.
体重の増加はやはり気になってしまう.
兎にも角にも食べることしか考えられなかった日々から徐々に抜け出しつつあるようで ダイエットやカロリーのことが気になり始めている. 食べる量や内容を整えながら もうすこし痩せられたらいいなと思う.