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阪神淡路大震災から早30年。私も兵庫県尼崎市で被災しました。なんてとても言えないんだけど。

昨日届いた通知を見て(岸田奈美さんのnoteを購読しているので)、

「ああ、私もそうだったんだ」と気づきました。(岸田奈美さんも、神戸市北区で壊滅的な被害は受けていなくても、被災していた)

阪神淡路大震災については、何度か書こうと思ったんだけど、岸田奈美さん同様、近親者が亡くなったり、家が倒壊したり、家具の下敷きになったりといった大きな被害がなかったので、

こんな程度で被災したって、言ってもいいのかな?

という「引け目」がありました。でも、被害の大きさでマウントとってる場合じゃないですよね。例えば軽症の怪我でも、本人にとっては、人生最大のピンチかもしれない。被害や症状は、客観的な物差しで測ると、主観的な痛みや傷を見逃してしまうかもしれないので、どんなことでも、「誰かの参考になるかもしれない」と思って書かせていただきます。

震災時、まだ布団の中にいました。私は兵庫県尼崎市の公団住宅に祖母と二人暮らし。祖母は既に起きていて、石油ストーブをつけていました。

朝5時46分、2回大きく横に揺れて、「ん?なんだ?地震か?」と思っていたら、

どーーーーーーーーーんっ!

という物凄く大きな音、地響きがした直後、強烈な、ものすごく強烈な衝撃が全身を襲いました。

これは、マジでゴジラか?ゴジラが来たのか?と思うような、揺れ。これは揺れてるの?何?っていう、今まで経験したことがないような大きな衝撃です。例えるなら、数百本の鉄パイプで、床下から突き上げられているような感じです。

私はその時、「絶対尼崎市が震源地だ!」と思いましたが、違いました。もちろん起き上がることはできず、私の両サイドに立っているタンスや本棚が倒れてこないか、気にはなったけど、布団を頭までかぶるしかできなくて、多分、すごく大きな声で叫んだんだと思うんだけど、本当に何もできなかったんです。

揺れがおさまった瞬間に、すぐ

「おばあちゃん!」

と叫び、祖母の無事を確認して外に出ようと思ったんだけど、もう、床が、マジで、

足の踏み場がない状態

で、あらゆるものが床に投げ出されていました。石油ストーブは、倒れて自動で火が消えていました。幸いなことに、タンスや食器棚は倒れてなかったので、とにかく祖母を連れて、外に飛び出しました。玄関を出たら、お向かいさんが、「大丈夫でした?見に行こうと思ってたんです」と声をおかけいただき、

ご近所さんとのご縁の大切さ

を痛感しました。声を掛け合って、すぐ階段を下りて(家は公団住宅の2階だった)外に出たけど、まだ真っ暗。停電してるから電気もなくて、外がどうなってるのか全く分からない。ただ、

強烈なガス漏れの匂い

だけは覚えています。どこかからガスが漏れてるんだなとわかる強いにおいでした。外に出ても、まっすぐ立っていられないほどの大きな余震が途切れずやってきます。団地が倒れてくるんじゃないかと思ったけど、なぜか大きな枕だけを抱えて出てきた私は、余震が来る度にその枕を祖母の頭にのせていました(何の役にも立ちませんが)。

ようやく日が昇り、周りの状況が見えてきたら、団地の横の墓地は、ものの見事に墓石がすべて倒れていて、ちょっと離れた場所から、煙がいくつも上がっていました。おそらく火事だったんだと思います。1時間ほど外にいたけど、明るくなってきたからと、家に戻ったら、

これが家の中?竜巻通りました?

っていうほど、物が散乱していて、外から開けないと絶対開かないはずの冷蔵庫から中のものが全部飛び出していました(おかげで床はびちょびちょ)。

冷蔵庫の上にあったはずの電子レンジは、隣の部屋に転がっており(レンジの重量から考えると、かなりの飛距離って、感心してる場合ではない)、食器棚は、倒れてはいなかったけど、扉が開いて、なぜかお気に入りの食器は見事に粉々に割れていて、どうでもいい食器は無傷。人生の不条理を感じずにはいられませんでした。

これでは裸足で歩くことができないので、靴を履いたまま家の中を歩き、片づけなければと思ったけど、水道も電気もガスも全部止まってて、あーどうしよう。って頭を抱えてたら、お向かいの奥様が、

片づける前に、写真撮ってた方がいいよ。罹災証明書取るときにいるよ。

と言われ、「罹災証明って、なに?」とはてなマークだった私の軽率な行動を止めてくださいました。知識って、大事だなとつくづく思いました。

日常生活では出会うことがない「罹災証明書」は、天災で被害があったとき、どんな被害だったのかを届け出ることによって、自治体から見舞金がもらえます。もちろん私は地震にあうまで、その存在すら知りませんでした。なので、もし、このnoteを読んでいる皆さんが、考えたくもないけど、被災したら、片づける前に、

写真や動画で被害状況を残しておく

事が非常に大事です。これは覚えておいてください。

有事の時は、パニックになりがちです。優先順位もなかなか設定しにくい。手あたり次第にできることから、ってなると思うんですが、電話もつながらないとなると、近くに住んでる人とのつながりが、命綱になるかもしれません。

ご近所づきあいって、マジで大切

だと思いました。若いとか歳取ってるからとか、関係ありません。避難する時、一声かけるだけでも、安心感が全く違います。結局人は、人とのつながりが大事なんだなと今でもしみじみ思います。

家の中が正常になるまでにはまだまだ時間がかかったのですが、長くなるので、今日はここまでにします。

マジで、人とのつながり、大切ですよ!


これだけは、声を大にして言っておきますね。

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終活プロデューサー(終活P)🌻終活とは終わりを意識して生きること。池原アニー充子
終活って、ひとりでやろうとすると、途中で挫折したりします。趣味:終活って言ってる終活プロデューサー(終活P)の私を頼ってください!多分お役に立てると思います。

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