KenOhashi

宇宙素粒子系物理を専門としている大学院生です。大学院生は周りから理解されることが少なく、精神的に追い込まれることがよくあります。 大学院生を理解してもらうために、大学院生というのはどんなことをしている人たちなのか、その活動がどんなことにつながるのかをまとめていきます。

KenOhashi

宇宙素粒子系物理を専門としている大学院生です。大学院生は周りから理解されることが少なく、精神的に追い込まれることがよくあります。 大学院生を理解してもらうために、大学院生というのはどんなことをしている人たちなのか、その活動がどんなことにつながるのかをまとめていきます。

マガジン

  • 素晴らしいものに感謝を。

    身の回りにある素晴らしいもの。それを作った人に感謝を伝えたい。

  • コミュニケーションを図式化

    普段のコミュニケーション。それをあえて図にしてみる。そうしたら、何か見えてくるかもしれない。

  • こんなサービス欲しい、けど…~アイディアは形にして処分する~

    こんなサービスあったらいい、と思ってwebを検索した記録や挑戦してみた結果の記録です。アイディアが浮かんで、何かに取り組んだら、他人に見える形で記事にします。過去や未来で同じことを考えた人の参考になれば幸いです。

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物理(宇宙素粒子系)の大学院生は何をやっているか?

皆さんは、物理に関連する研究、と聞いてなにを浮かべるでしょうか。 宇宙系や素粒子系の大学院生の活動というのは、どうも得体の知れないものという印象らしく、私自身知人に説明するときにすごく苦労します。しどろもどろな説明でごまかします。でも、これではいつまで経っても理解してもらえないですよね。なので、今回は正面からこの問題と向き合い、私が普段何をやっているかを説明していきます。 素粒子系の大学院生の活動とは?普段の活動を説明するとき私はよく、こう言います。 「私は普段、加速器とい

    • 博士課程に進んだ人材がなぜ社会に必要なのか、考えていた。一つはやはり、自分の考えの間違いを自分で見つけられる人を増やすためだろう。 自分の考えが間違っていることを自分で理解するためには、論理が必要だ。

      • 電気自動車のある未来?? — 素人が娯楽として未来を想像してみる —

        突然ですが、アイディア出しって楽しくないですか?僕は大好きです。 だから、ただの素人ですけど、娯楽として、色々未来を考えてみたいと思います。 電気自動車+自動運転でどんな未来がありそうか? 素人が、娯楽として考えてみる。 アイディアだし既存の何かの代わり? ベッドを入れて、深夜バスや寝台列車の代わり? 充電を自動で勝手に言ってくれる? 既存のメンテナンスを勝手にいってくれる? もちろん、太陽光発電の電気をバッテリーで貯めて夜使う。 それでは面白く無い。もっと移動になかった

        • 大学院で博士号を取るまでの5年で得たこと

          博士号を取得しました。これで、大学に4年間行って、さらに5年間大学に残って、いわゆる学歴というものをコンプリートしたことになります。 この追加の5年間にどんな意味があったのか、5年間という長い期間を投じで、果たして何を得られたのか、自分なりに考えてみたいと思います。 自分の中でのこの5年間の価値「理解」とは、何か? まず、自分の中でこの5年間はどんな価値があるか、振り返ってみたいと思います。 大学4年間を終わった時、自分の中では一つ大きな悩みがありました。それは、「理解」

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        • 博士課程に進んだ人材がなぜ社会に必要なのか、考えていた。一つはやはり、自分の考えの間違いを自分で見つけられる人を増やすためだろう。 自分の考えが間違っていることを自分で理解するためには、論理が必要だ。

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        • コミュニケーションを図式化
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        記事

          iPhoneのショートカットアプリでツイッターを見る時間を強制的に減らす

          夜。いつの間にか、なんとなくツイッターを開き、いろんなニュースを見てしまい、気分が落ち込む。最近こんなことがよくある。 そこで、iPhoneのショートカットアプリで、ツイッターをなんとなく開いた時に別のアプリを開くようにした。 ショートカットアプリiPhoneには、ショートカットアプリという自動化アプリが入っている。久しぶりにショートカットアプリを開いたら、強制的にショートカットを実行する機能が追加されていた。 お、これは使える。 ショートカットアプリのオートメーションを

          iPhoneのショートカットアプリでツイッターを見る時間を強制的に減らす

          発表スライドを自動で点検したい!!

          学会発表シーズン。オンラインでの発表が中心になってから、よくできているスライドとあまり良くないスライドが目立つようになった。 よくできているスライドを見ると、発表内容がうまく入ってくるし、興味も持てるし、さらに知りたくなって質問したくなる。時には、自分の研究にもつながる学びを得られる。発表する側も、質問を通じて新たな学びを得られる。 できれば自分のスライドもこうありたい。ただ、発表準備に時間をかけたり、誰かに見てもらったり、というのは大変だ。 そこで、自分が陥りやすいミスを

          発表スライドを自動で点検したい!!

          不毛な議論を避けるために -科学からの処方箋-

          悲劇的なことに、今、私たちがすべきことについての“素晴らしい意見“がとてもたくさんある。多くの人は、それぞれ別々の意見を好み、結果として議論は永遠に続き、やがて罵り合いへと発展している。 それは、目の前で続いている感染症でもそうだし、個々のニュースについてもそうだ。 インターネットが発達し、“素晴らしい意見“にいくらでも出会えることは、悲劇だったのだろうか?これはどうしようもないのか? 完全ではないけれども、一つ処方箋がある。それは、科学の議論を活かすことだ。 “素晴らしい

          不毛な議論を避けるために -科学からの処方箋-

          科学的アプローチは、どう役に立つか?博士号を持つ人は、どう役立つか?

          問題を解決する手法は、たくさんある。考えれば考えるほど、相談すれば相談するほど、いろんな手法が出てくる。その中で、科学に用いられている手法は、どう優れているのだろうか?どんな場合に優れているだろうか?博士号を持つ人は、どう役立つだろうか? 問題を解決する手法は、いつもたくさんある。例えば、こんな場合を考えてみよう。 川が増水して渡れないが、川の向こうに小さな鞄を渡したい。 中身は、本とプラスチックの筆箱。 川の向こうには、鞄を忘れていった人がいる。また、ちょうどよくネット

          科学的アプローチは、どう役に立つか?博士号を持つ人は、どう役立つか?

          きっとこうだろうなあ、と漠然と思うことがある。そんな時に、どうしてそう思ったかを見つめ直すのは大事なことかもしれない。

          きっとこうだろうなあ、と漠然と思うことがある。そんな時に、どうしてそう思ったかを見つめ直すのは大事なことかもしれない。

          より強くて役立つ意見を求めて

          強い意見と弱い意見がある。 毎日、あれはダメだな、という思いを抱くこともあれば、 研究の中で、論文としてしっかりとした意見を表明することもある。 明らかに、後者の方が強い意見だ。ではそれらの違いは何か。 少し眺めていきたい。 毎日ふと抱く、弱くて無責任な意見日々、ニュースを見たり、広告を見たりすると、いろんなことを思う。 例えば、「メガネ型ウェアラブル端末なんて流行らないよ」とか、「新しいMacBookなんて売れないよ」とか、そういう無責任な弱い思い。 そんな意見は、時に呟

          より強くて役立つ意見を求めて

          「なぜ一部の人は、いつも質問をできるのか?」

          大学や研究機関の研究者の中には、いつも当たり前のように質問をしている人がいます。そんな人がいる環境では、時に、質問しないことがなんだか悪いことのような雰囲気になることも。 「なんで質問しないの?」と聞かれることも。 当たり前のように質問が浮かばない人からすれば、なんで、と聞かれても、「それがわかったら苦労しない」としか言いようがありません。 そんな空間で、私は、博士号を取るために大学で5年間研究をしてきました。 そこで気づいた、質問ができない人のための質問マニュアルを少し紹

          「なぜ一部の人は、いつも質問をできるのか?」

          うまくいきそうなアイディアは、想像以上にたくさんあって、だけど、その大半は吟味してみるとうまくいかないとわかる。うまくいきそうなアイディアを試していたら、時間がなくなってしまう。だから考える。これが重要なんだと最近感じています。

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          きっと、質問力が生きるのは、自分に対して疑問を投げかけるときだ。 試行錯誤で、やってみた結果を分析するときや、次の計画を立てるとき。 新しいことを勉強するとき。自分の理解に疑問を投げかけることで、曖昧に済ませていた部分が明確になる。そうすると、次の作業がより論理的になる。

          きっと、質問力が生きるのは、自分に対して疑問を投げかけるときだ。 試行錯誤で、やってみた結果を分析するときや、次の計画を立てるとき。 新しいことを勉強するとき。自分の理解に疑問を投げかけることで、曖昧に済ませていた部分が明確になる。そうすると、次の作業がより論理的になる。

          博士課程で身につける、考える技術①:試行錯誤

          大学院に進学して、5年。 5年間で何を身につけたか。 5年間という長い時間を投資して、何を得られたか。 これから、少しずつ、振り返っていきたい。 今回は、試行錯誤の技術。 試行錯誤の技術試行錯誤は、簡単なように見えて、奥が深い。 計画する => 実行する => 振り返る => もう一度計画する という単純なループの繰り返しなのだが、ただやって見るだけでは、一回の試行から得られるものは少ない。 やってみる、という試行と考える、の思考を組み合わせることが大事だ。 大切なこと

          博士課程で身につける、考える技術①:試行錯誤

          理解するという作業を文章で表現する 〜“理解“の負の影響と向き合いながら〜

          多くの場合、一度何らかの形で「理解」してしまうと、たとえその後事情変わってしまってもその「理解」をアップデートすることは難しい。 知識がアップデートされないことは、少しずつ、私たちの目を曇らせていく。 初めの段階で、誤解もなく、あとあと事情が変わっても対応できる完璧な理解ができれば良い。でも、そんな理解は簡単ではない。簡単ではないから、妥協した理解で済ませてしまう。 これは、「理解」することの負の影響だ。 “理解“することが必要な場面で、簡単な理解しかできない。そんな時に、

          理解するという作業を文章で表現する 〜“理解“の負の影響と向き合いながら〜

          「理解」のカタログを作りたい。〜「理解」の意味の違いによるトラブルを避けるために〜

          理解とは何か。 きっと人それぞれ違っていて、それがしばしば問題を起こす。 ある人は理解しているつもりでも、他の人からすると理解していない。そんな場面に出会うことはとても多い。 例えば、初心者が「分かった」といったので「やってみて」と言ったらできなかったとか、そんな場面。 じゃあ、理解とは何か。 それをみんなが例示して、理解というものの“カタログ“ができたら素晴らしい。そんなことを思って、 自分の知る限りの理解の例を挙げてみる。 理解という言葉を、文章で表現してみる、そんなプ

          「理解」のカタログを作りたい。〜「理解」の意味の違いによるトラブルを避けるために〜