ダサくて地味な、大っ嫌いな私の名前
自分の名前、好きだと思えたことなんてない。
母が私を身ごもっている間、私に付けようと思っていた名前を、子どもの頃から幾度となく、「素敵でしょう」と聞かされた。華やかで、美しい名前。
そしてその後に続けて、母は必ず言うのだ。「ね、あんたの名前、ダサくて地味で、最悪でしょ」って。
私を生んですぐ、母は病床に伏せる事になったため、出生届を出したのは父だった。父だったのに。父が役所に提出した私の名前は、母が心に決めた美しい名前ではなく、父の母、つまり私の祖母で、母にとっての姑、が