このイタイ恋バナを「面白い」と思った人に読んでほしい1冊
まずは次の恋愛エピソード3つを読んでみてほしい。あなたはどう思う?理解できる?笑ってしまう?狂気を感じる?
好き!踏んで!
俺、めちゃくちゃ好きな子がいるんだけど、脈なしぽいんだよな。あー。付き合いたいなぁ。触れたいなぁ。なんで振り向いてくれないんだよぉ。もうさ、土になってあの子に踏まれたい。そうすればいつだって、彼女を感じられる。
嫉妬に狂い
「今日も残業。飯いらない。」
夫からこんな素っ気ないメッセージが増えた。残業だとか、出張だとかで家に帰って来ない。知ってるのよ。別の女のところに通ってるのは。
私は今日も、あなたのために一生懸命作ったご飯をひとりで食べる。そして私がひとりで寂しく寝てる間、あなたは別の女と楽しむのね。
むかつく!女のXXをXXして、そのあとXXにXXをして、SNSに〇〇な噂と個人情報を流してやろうか!
(散々呪詛を吐いたのち)
ふぅ〜。でもわかってるの。結局、あんな最低な男を好きになったのは自分だし、相手の女を恨むのはお門違いてことも。
恋の火はちゃんと消せ
あるイケメンの独り言。
可愛いなと思った女の子に声をかけて、連絡先交換したわけ。最初は何気ない会話も楽しかったし、デートもよかったんだけど、最近毎日、異常なほどLINEしてくんの。「会いたい」「何してる?」「あなたの家がある〇〇町まで行ったよ」とか。正直、めんどくせーなって。俺、彼女と真剣に交際とか考えてないし。それに、追われると逃げたくなるんだよね。
これらのエピソードをおもしろいと思ったあなたにぜひ読んでほしい本は、『ざんねんな万葉集』。
万葉集は今で言う「Xのつぶやき」だと私は思った。上記で紹介したエピソードは、私なりに現代風なエピソードに脚色した。
本編は、現代語訳と和歌と解説が載っていて読みやすい。全ページ美しいイラスト付き。表紙絵のイケメンが鼻血を出しているのもおもしろい。
感想
万葉集はキレイな言葉、美しい恋歌だけじゃないんだ。『ざんねんな万葉集』には人間臭さがあって好き。
日本人は昔からむっつりスケベの変態な人種なのかなと思った。
踏まれたいって発想はなかなかできない。もしこの人の恋が成就していないとしたら、そういうとこやろうな。
上記で紹介した口説いた女がめんどくさい話とか、自分から相手の心に火をつけたくせにちゃんと消火しろよ。そうやって燃え広がって被害女性が増える。現代でもこういう奴いる。「私の体が目当てだったのね」という和歌もあった。
嫉妬も人には言えない酷いことを想像したり、思ったりするのって誰にでもあると思う。でもこんな男を好きになったのは自分…って妙に冷静になる気持ちも理解できる。
この人たちにとって、この和歌はもしかすると黒歴史かもしれない。後世にまで残って、晒されるなんて思いもしなかっただろうな。
他にも、振り向いてくれないなら「◯んで」とか、妻の吐息を吸いたいとか…。愛するあまり憎しみが生まれ、変態にも磨きがかかる。
※今も昔も変態でも、人には理解できない性癖があってもいいけど、犯罪は絶対ダメ。
まだある変態&ざんねんなエピソード。続きは本編で楽しんで下さい。Kindle Unlimitedに入っている方は無料で読めます。9月になると読めなくなるかもしれないので、気になった方は早めのダウンロードを。