リーダーシップ、誰かとシェアしてみませんか?
SNSなどの登場によって、"シェア"が当たり前の時代――車、空間、スキル等など、様々なものが共有されています。
その流れもあってか、リーダーシップ研究においても"シェアド・リーダーシップ"なる考え方が登場しました。
「リーダーシップをシェアするってどういうこと?」
解説します。
全員がリーダーシップを発揮する「シェアド・リーダーシップ」
シェアド・リーダーシップとは、特定のリーダーではなく、職場のメンバー誰しもがリーダーシップを発揮できるという考え方です。
例えば、あるときはAさんがリードし、Bさんはフォロワーに徹しているとしましょう。
従来のリーダーシップは、特定の人物に情報や権限などが集中し、リーダーとフォロワーも垂直的な関係でした。
しかし、シェアド・リーダーシップという考え方においては、状況が変われば、その役割も変わるというものです。
今回の場合でも、Bさんがリーダーとなり、Aさんがフォロワーへと役割を変わっていきます。
つまり、シェアド・リーダーシップは、垂直的ではなく水平的な関係なのです。多数の人物にリーダーの役割が分散しており、流動的な特徴を有しています。
今風な感じがしますよね!
シェアド・リーダーシップは万能ではない!?そこには落とし穴も…
シェアド・リーダーシップの概念が登場したのは、2000年代初期頃です。
クレアモント大学のクレイグ・L・ピアース氏らの論文が最も古いと言われています。
クレイグ・L・ピアース氏らは、ある自動車メーカーの変革チームを調査した際、従来のリーダーシップよりも、シェアド・リーダーシップの方がパフォーマンスが高いことを発見し、こう名付けました。
さて、ここまでの話を受けて、「パフォーマンスが高いなら、シェアド・リーダーシップの方がいいじゃん!」と思った方もおられるはず。
私もこの概念に出会ったとき、「これだ!」と感じました・・・が、このリーダーシップスタイルは、なかなか実践が難しいものです。
例えば、シェアド・リーダーシップは意思決定の合意までに時間がかかったり、責任の所在が見えにくかったりなど、万能という訳でもないのです。
このように、全ての状況に適した唯一絶対のリーダーシップは存在しません。このシェアド・リーダーシップも、効果的な場面もそうでない場面があります。
ただ、ひとつ言えるのは、リーダーシップスタイルはどれも万能ではない=つまり、場面によってスタイルを変えなければならないということです。
もしそうなら、なるべくそのレパートリーを増やした方がいいですよね。
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