見出し画像

「カムバック制度は良いことだらけ」は本当?

過去働いていた元社員を再雇用する制度のことで、アルムナイ制度、ジョブリターン制度、再雇用制度などとも呼ばれます。

ポジティブな側面ばかりが注目されがちですが、ネガティブな側面も見逃せません。具体的に見てみましょう。


出戻り社員を受け入れる際は、既存社員の不公平感やモチベーションに配慮する必要がある


ネガティブな側面も一つは「不公平感」です。

例えば、かつて管理職として勤務していた方が、数年後に戻ってきたとしましょう。その方が再び管理職に就くと、周囲の方々はどう感じるでしょうか?

「私たちはずっとこの会社で頑張ってきたのに...」と不満に思うかもしれません。

既存の社員の方々とのバランスをみながら、出戻り社員の処遇を考える必要があります。

さらに、既存社員のモチベーションにも気を配る必要があります。

出戻り社員が他社での実績を評価され、待遇やポジション面で良い処遇を受けたりすると、周囲は嫉妬や不満を抱くかもしれません。

その組織が成果主義を貫き、アウトプットのみで評価が決まる組織であればそこまで懸念するものでもないかもしれませんが、年功序列感が残る組織であれば注意が必要でしょう。


出戻り社員が活躍できるように、人事部門としては受け入れ態勢をしっかり作りたい


ここまで周囲や組織に焦点を当てて話を進めてきましたが、出戻り社員ご本人にとっては、何かネガティブな側面はないのでしょうか?

例えば、働き続けている既存社員から「あの人、外で通用しなくて戻ってきたみたいだね」という視線を向けられることはあるでしょう。こうした視線を向けられないように、人事部門は出戻り社員の見せ方にも配慮しなければなりません。

また、「以前働いていたから、うちのことよく知っているはず」という前提で接せられることもあります。1年も経てば組織内でさまざまな変化が起こっているものです。しかし、既存社員にとっては日々の小さな変化の積み重ねゆえに感じにくく、その感覚で出戻り社員にも接してしまいます。さらには、ご本人の「自分もわかっている」との思い込みをしてしまう可能性もあるでしょう。こうした認識は、ご本人の組織適応に好ましくない影響を与えるかもしれません。

人手不足が深刻する昨今、中途採用だけでなく、出戻り社員を迎え入れる企業が増えています。ただ、まだまだ事例としては多くなく、どんな落とし穴があるのかも分かり切っていません。

こうした既知のネガティブ面は気を付けながら、人事としてはしっかりと受け入れ態勢を設計することが重要です。

★元ネタはこちら


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集