【目印を見つけるノート】1208. 土用のうなぎ話と家持・源内・大人
昨夜はずっと暑くて、寝付きの悪いこと悪いこと。うとうとして、夢を見かけてハッとするのが何度も続きました。覚えているのは、きれいな空に何か飛んでいる映像と、シーラカンスが揚がっている映像。あとは忘れました。脈絡ないですね、シーラカンスって初めて間近で見たなあ🤔白い個体でした。夢って本当に興味深いです。
けれど、寝不足のバテ気味。
何よりも寝不足がよくない気がします。
そうですね、土用ですね。
土を休ませる期間のことですが、
草むしりもこの期間はNG。ただ間日とされている日はOKだそうです。この前見学したように、ばらに堆肥をあげたいところですが……せめて水だけはたくさんあげようっと。
土用は季節ごとにありますが、夏の土用の丑の日といえば、うなぎですね。
今年は7月30日です。
うなぎかあ、しばらく食べていないなあ🤔
最後に食べたのは柳川だったか、近くのファミレスの鰻丼だったか。柳川のうなぎは蒸すタイプで、柔らかくてとてもおいしかったです。
柳川へは1泊2日の強行軍、のんびりうなぎを食べていて、飛行機の時間がギリギリになりました。帰りの西鉄線、焦っていて何も覚えていません。そのくせ天神で書店に入ったり、博多駅前の写真撮っていたり寄り道時間だけはしっかりキープしていました。空港では『博多通りもん』のいちばん大きいのを買って、ダッシュでチェックインしました。よく間に合いましたね。
いろいろと守られたような、ラッキーな旅でした。ありがとうございます。
そんな記憶を呼び覚ましていますが、
「夏に鰻」というのは万葉集の頃からいわれていたそうです。
言っていたのはこのかた。
大伴家持(おおとものやかもち)です。この方は万葉集の選をしたお一人といわれています。文化人であり、後には出世もするのですが政治的には順風満帆だったともいえないイメージです。地方赴任の暮らしが長かったのが、歌の風趣を高めたと思いますので相当佳い面もあったでしょう。
その家持さんが知人に鰻を勧めているのがあります。
石麻呂に 吾れもの申す 夏痩せに よしといふものぞ 鰻とり食せ
痩す痩すも 生けらばあらむを 将やはた 鰻を漁ると 河に流れな
こちらからの引用です。
歌というより「すすめ」的なニュアンスですね。ともかく、鰻は平城京の頃から「夏バテにいい」という認識があったということが分かります。
ここには土用の絡みが出ていませんが、土用の丑の日というのを宣伝したのは平賀源内だという説もあります。というか、そう書いてあるものが大半です。
売れなくて困っている鰻屋さんのためだった云々……昨今のバレンタインデーであるとかハロウィンを思わせる『マーケティング』の一環だったかもしれません。
人はいつでも、「本日限り」とか「限定」とかそういったワードが好きなようです。
「土用の丑の日には『う』の付くものを食って健康長寿、その筆頭がうなぎでぃ」とか何とか。うなぎで精をつけるというのはよく知られていたでしょうが、丑の日について洒落が好きな江戸人の語呂合わせが由来なら、とても愉快ですね。
源内は家持の歌を知っていたのかなとふと思います。当時は賀茂真淵、本居宣長の二大御大がご健在でしたから、彼らの万葉集研究なども知っていたでしょう。『国学』と呼ばれるものです。ふむふむ、かじっていそう🤔
じゃあ、知っていたなと勝手に想像しています。
「古人も言ってるんだ。縣居の大人(あがたいのうし、真淵のこと)に聞いたんでえ、うしか……丑、うのつく日には鰻を食え、これで決まりだ!」
と、思ったかどうか。どうでしょう。こういう展開を考えるのが大好きです❤️(©️尾方佐羽)
知識とか教養とか学問とか研究とか、まあいろいろ言い方はありますが、エレキテルの例を挙げるまでもなく、源内は好奇心のカタマリだったのだと思います。
大いに見習いたい先達ですね。
鰻はどうしようかなあ🥺
Lou Reed『Walk On The Wildside』
Wildsideって、道なき道というようなニュアンスで私は受け取っています。出来上がった安全な道が対極にあるのでしょう。
和歌のかささぎの橋は奈良の冬空のようですが、空の道はあるようで歩くことのできない究極の自然です。都の一隅から冬の星空を見上げる風情がいいですね。夏には涼しくも感じられます。
それでは、鰻を食べたい現場からは以上です。お読みくださってありがとうございます。
尾方佐羽
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