【目印を見つけるノート】1692. 日本近代文学館で『信頼』のかたちを見る
きのう入手した本のうち、室鳩巣(むろきゅうそう)のところをわずかに読んで抱いた印象です。
「落語に出てくる長屋の大家さん」でした。何というかかんというか、そのように思える自分が面白いです。ご本人に言ったら怒られるでしょう。すみません。
さて、今日は下北沢のライブに行く前に駒馬東大前で降りました。日本近代文学館に寄りたかったのです。
駒場東大前の駅に着くと、信じられない人の多さ(渋谷とまではいかないけれど)、某東京大学の方からは音楽などが聞こえます。
そうか、学祭か💡学祭だ。青春🌱
入場時間終了の30分前には着けると見込んでいたのですが、好事魔多し。何と文学館への最短ルートである駒場公園東門が工事で閉鎖中でした。同じように来た方がそこから離れた正門の方に向かうのに、カルガモの子のようについていきます。いや、子ではありませんね。
いや~間に合わない😱😱と思いましたが、間に合いました。ほっ。
今回の秋季特別展は『編集者かく戦へり』という、作家と名編集者との関わりに焦点を当てた展示でした。名編集者とは滝田樗陰さん、菊池寛さん、坂本忠雄さん、坂本一亀さん、橋中雄二さん、田邊園子さん、堀田珠子さんなどの方々です。
特別展に加えて『川端文学の名作Ⅱ』の企画展示もありました。今日まででした。
最終日で混んでいましたのでややスキップして見ましたが(すいません)、印税の前借りを頼む手紙が最初のコーナーからあって、なかなかのリアリズムでした。印税って相当後になる感じですものね、翻って今月の給料は1年後に支給しますなんて言われたら……と考えると妙に納得します。
展示は書簡や葉書、原稿、出来上がった本が中心なのですが作家と編集者という不思議で特別な関係が垣間見られます。
さきに挙げた通り、編集者の皆さまは知る人ぞ知る著名人だと思いますが、展示に登場する作家さんは知られている方ばかりです。谷崎潤一郎さん、樋口一葉さん、太宰治さん、内田百閒さん、三島由紀夫さん、水上勉さんなど多数。その原稿に赤字を遠慮なく入れたりできるのは、それだけの深い教養とスキルがあるのだろうなと敬服します。あと、丁丁発止で向き合うタフさとか、仏のような寛大さ、表には出ない矜持も必要かなと思いました。
私が見たかったのは吉村昭さんの『生麦事件』という本にまつわる展示です。このタイトルは先日、鶴見の西田書店さんで伺った話とリンクしています。『生麦事件』の資料を吉村さんが探しに来たという話ですが、シンクロ? デジャヴュのように思えたので、ここだけはじっくり見ました。
吉村昭さんはすごくたくさん調べて取材して書く方だと認識していますが、そのような方が自身に誤謬があったことを率直に認めている文面がありました。その前に編集者の指摘があったのを受けてですが、私はちょっと感動しました。双方に信頼関係がないと、このようなやり取りはできないと思うのです。
信頼、
いちばん基本になるのはそこかもなって、合点がいきました。それは作家と編集者に限りませんが。
また、
前回と同様、筆跡を見ていたりもしましたが、川端康成さんの筆跡はひとつの書体のようでした。
翻訳者のサイデンステッカーさんに宛てた手紙があったのですが、見事なくずし字です😱😱😱サイデンステッカーさんは読めたのでしょう。脱帽のひとこと。
私は読めませんでした😖
ああ、もう少し書きたいのですが……舞踏会のシンデレラです。時計が12時を打って日付が変わってしまう👠
早く帰らないと😢小田急線でも一生懸命叩いていたのです。
ということで、余力があれば明日書きます。
自分が新聞雑誌の編集や同人誌の編集手伝いやらしていた視点でも、格段に面白い特別展でした。
お読み下さってありがとうございます。
尾方佐羽
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