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【目印を見つけるノート】1497. オーロラの日に丘の木を見る

きのうはオーロラの日でしたね。
イギリス、スペインなどヨーロッパ各地、北海道、石川でも低緯度オーロラが見られたそうです。
ニュースの動画
https://youtu.be/hQDwnAJ0zXA?si=wIgoak-dv3AzIZ92
その原因である、
太陽の加減は収まったのでしょうか。
昼頃は風が強かったです。

そんなオーロラの日のきのう、
清泉女子大学の土曜自由大学に行ってきました。こちらは大学と品川区が共催で行っているものだそうで、今回で42回目👀‼️とのこと。5月の土曜2回に分けて、1日に講座を2つ、計4回です。

今日の講座のテーマは「戦禍のなかの聖職者ーロシア伝統宗教と軍隊ー」(清泉女子大学・井上まどか准教授)、「『カラマーゾフの兄弟』と東方キリスト教」(東京大学・安岡治子名誉教授)です。

テーマでも分かる通り、ロシアと伝統宗教(ロシア正教会)が通しての基盤です。
現在、ロシアがウクライナに全面侵攻を開始してから2年以上経ちましたが、まだ収束の兆しは見えていません。そのような時期に今回のような事項を知るのはとても大切なことではないかと思い講座に臨みました。

井上先生の講座は、ロシアにおいて戦争の際に非戦闘員として従軍する聖職者(宗教者)、『従軍チャプレン』についてでした。

従軍チャプレンといっても宗教によって呼び名は異なります。カトリックや正教の場合は「従軍司祭」、プロテスタントの場合は「従軍牧師」とここまでは想像できるのですが、それに加えて仏教の場合は「従軍僧」、「従軍ラマ」(ロシアの場合)、イスラームの場合は「従軍ムッラー」と呼ぶのだそうです。ロシアにも多様な民族、宗教があることを「認識していない無知」を自覚したのと、宗教者が戦争に協力する仕組みがあるというのに驚きました。一方で宗教・人間的良心に基づいて戦争に抗議して国を離れる方もいるということでした。

日本も80年前の戦争では猫も杓子も戦争に巻き込まれました。鍋釜も鐘も、と言った方が正確かもしれません。その話から考えれば、従軍チャプレンという矛盾を抱いた存在も現実的にとらえられるように思います。

ただ、今世紀になるまで明確に待遇が保証されていなかったということ。また制度化が進むにつれ従軍兵士が宗教を必要とする場面での取り組みや心のケアをする目的より、愛国心教育の一貫として位置付けられるようになってきているという点が指摘されました。

なお今日的な話として、ウクライナの従軍チャプレンに対して負傷した場合には300万ルーブル、死亡した場合には500万ルーブルが遺族に支払われるという大統領令が出されたそうです。
すでに兵士とともに従軍チャプレンの犠牲者も出ていると伺いました。

次は「『カラマーゾフの兄弟』と東方キリスト教」(東京大学・安岡治子名誉教授)の講座を受けました。
ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を私は読んでいなくて、すみません🙏とはいえ、それでも十分に理解できるよう背景やあらすじ、創作に影響を与えた人物などを丁寧に説明くださいました。
先生はドストエフスキーの訳出も複数あり、もうじきゴンチャロフの『オブローモフの夢』(光文社古典新訳文庫)も刊行されるということです。
ロシア文学の泰斗です。

今回はそのストーリーに横たわる正教=「東方キリスト教」の概念についても詳しくお話をいただきました。私はカトリックと東方正教会の違いどころか、キリスト教そのものも理解が覚束ないですので、汎在神論(万有在神論、パンエンテイズム)の説明もストレートに伺っていました。分かりやすかったです。

また、タボル山のキリストの変容、ガラリヤのカナ、登場人物イワンの反逆とヨブ記、復活というくだりの解釈など聖書と作品が呼応している部分の紹介をいただきました。

最後に、この作品の中心理念は、「孤立する自己を手放して広がりを持つ自由に向かう」ものだと締めくくられましたが、それはとても今日的なテーマだと思いました。

また、『カラマーゾフの兄弟』の一部である『少年たち』を1990年に映画化したものが「とてもいい映画なのでおすすめします」ということでした。

不肖わたくしは、
きちんと作品を読んでいませんので、まず「読みたいと思いました」という感想になってしまうのですが、そうではない部分を書いておこうと思います。
私はトルストイの『人はなんで生きるか』という短編民話集が好きですが、そのベースにあるものも今回伺ったお話と通ずるのではないかと感じました。人としてどうあるべきかというテーマは個人的にも思うものですし、東方キリスト教の考えにも理想と現実はあるにせよ大きな共感を持ちました。

何につけても思うのは、距離的には近いのにこのお話の描いた姿から遠く離れた戦争のことです。
乖離。

清泉女子大学では現在、ウクライナに関するイベントを開催しています。その中のひとつ、『絵画展 私たちの生きる時代 ウクライナの子どもたちがみた世界』を見ることができました。本当は土曜日の場合、13:00までなのですが、今回講座があるということで特別に延長していただきました。
ありがとうございます。
講座の感想についてのブログ掲載は許可をいただいたのですが、展示の方はいただきそびれたので、今回はチラシだけです。
また改めて。

絵を見て、それを描いたお子さんの写真やメッセージを見て、悲しいばかりなのはどうしたらいいのでしょう。
それでも「希望」を手放さないでもらえたらと祈らずにはいられませんでした。

講座はもう1日あって、また違うテーマです。楽しみにしています。
中庭が美しかったです。

丘の上の大きな「フウ」の木。

それでは、今日の曲です。
『War』Bruce Springsteen

この曲は元があってカヴァーなのですが、私はこの曲をこの方で知りました。シャウトする方ですけれども、この曲には「渾身」という言葉が似合うように思います。

それでは、お読みくださってありがとうございます。

尾方佐羽

追伸 今日は間に合わなくて、これから配信アーカイブを見ます😌

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