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中島みゆきにシビれた
はじめて中島みゆきの歌を聴いたのは、高校一年15歳の頃だった。
フォークギターに憧れて、軽音楽部に入部した。
その頃はまだカセットテープ時代で先輩に勧められて借りた
カセットテープで聞いたのがきっかけだったと思う。。
その歌声にそして歌詞にすっかりシビれてしまった。
はっきり言って当時の自分は恋とは無縁だった。
それこそ漫画や小説、
テレビドラマの世界で実体験などまるでなかったのに。
彼女が歌う女達はとても大人びた感じがした。
そして切なさや寂しさ、
苦しくて焦がれる気持ちが呪いのように歌詞に込められていた。
想像でしか知り得ない事なのに胸が締め付けられるようで
その不器用さに心を揺さぶられたのだ。
ああ、もし自分がもう少し大人で、
好きな人がいて、
こんな目に遭ったとして、
この歌を聴いたらきっと涙腺が崩壊してしまうと真剣に思っていた。
「ひとり上手」
男に恋い焦がれる女。捨てられるのを分かってても何も出来ない。
捨てられたあと泣き狂う。
「わかれうた」
のっけから路上で倒れて叫ぶ女。
浮気を繰り返されるのに我慢して帰りを待つ。
最後には捨てられてしまう。
「悪女」
付き合って一緒に暮らしている男にどうやら女ができたらしい。
でも好きだから別れたくない。
嫌われれば相手から別れを切り出せるからと、
男物のコロンをつけ朝帰りをして遊び歩くフリをする女。
中島みゆきの歌に出てくる女は、たいてい男運が悪い。
世間知らず。
すぐ騙される。
思い人に捨てられる。
相手にもされない。
本命になれない。
不幸のどん底に陥る。
一つの曲で物語が一つ書けそうなくらい濃厚で重圧だから、
本当に辛いときは心して聴かないと世界観に引きずり込まれてしまって、
抜け出せなくなってしまう。
ある時、深夜ラジオでご本人のお喋りを聞いたとき
あまりにギャップがあって驚いた。
すごく陽気で明るいキャラだったからだ。
この人からあの歌詞が出てくるの?とちょっと信じられないと思った。
同じ頃人気だったのが、ユーミンこと松任谷由実だ。
少し後に竹内まりあも人気があった。
同じ「恋」をテーマにしてこれほど違うものなのかと思った。
例えるなら、ユーミンや竹内まりあさんは、
華やかで彩りのある甘いカクテルみたいな感じ。
それに比べて中島みゆきさんは、
ひとくちでガツンとくるウォッカとかウィスキーで喉が熱くなる感じだ。
どうやら自分は強い酒が好みだったようだ。
1975年にシングル「アザミ嬢のララバイ」で歌手デビュー。
続くセカンドシングル「時代」1977年に「わかれうた」「悪女」
1978年発表の4枚目アルバム「愛していると云ってくれ」には
「世情」そう、金八先生の腐ったミカンの時だった。
曲を聴くだけで色々思い出されてしまうが、
すごいのは45年以上前の歌が曲がいま聴いてもまったく色褪せない事だ。
自分は歳を取り今では歌詞の意味も十分理解できる。
今の自分が聴く中島みゆきの歌は体の隅々まで染み渡るように馴染む。
ちなみに最近は「誕生」と「あした」がお気に入りでよく聴いている。
古い曲だが自分には新しいのだ。
カラオケでの十八番は「かなしみ笑い」だったりする。
ヒットした曲はもちろん素晴らしいのだが、
アルバムの中の曲もいい歌がたくさんある。
すべてを知っているわけではないが、
何十年も昔に聴いた歌が最近あらためていいなぁと思い、
時間の出来たことだし、
懐かしい気持ちと古いけど知らなかった歌などを聴いて
再発見できたらと思うととても楽しみだ。
きっとnoteの読書にも中島みゆきファンは多いと思う(勝手に)。
おすすめの歌があったらコメントで教えてもらえると嬉しい。
今日も読んでくださった方ありがとうございます。
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