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お菓子だって宝物になる
15年ほど前のことだ。
パルシステムの商品カタログに掲載されていた手作りパンレシピを見ながら人生で初めてパンを焼いてみた。
これが意外に簡単で美味しくできたので、調子に乗って本を買っていろんなパン作りに挑戦した。
そんなふうに自己流でパン焼きを始めた頃だ。
我が家の近所に自宅でパン教室をやっているという人が引っ越してきた。
正確に言えば、近所に同じ年の子供がいる家族が引っ越してきて
いろいろお喋りをしているうちに、パン教室の先生だと判ったのだ。
そして私は、その教室でシュトーレンと出会った。
シュトーレン、今ではクリスマスの定番菓子になりつつあるが、その頃の私はその存在を知らなかった。
クリスマスまで毎日1切れずつ食べるなんてステキ!
とか思ったものだ。
ドライフルーツやナッツが入っている見た目から、パウンドケーキのような味を想像していた。
しかし、
食べてみるとそれは全く違うものだった。
上品でしつこくない甘さとバターの香り、その奥にほんのりとラム酒が隠れている。
しっかりと詰まった生地は見た目を裏切るほどのしっとり感で、口にいれるとほどけるように溶けていくのだ。
その後を追いかけるようにドライフルーツやナッツの食感がやってくる。
な、何なんだこれは!!!
それから私は毎年クリスマス前にシュトーレンを焼いた。
あんまりにも美味しいから、お世話になった人たちにお歳暮代わり送りつけたりしたが、見事に喜ばれた。
初めてシュトーレンを食べたけど、美味しくてびっくりした!
そんな感想をメールしてくれる人もいた。
シュトーレンを自分で作っていると、当然売っているシュトーレンのことも気になってくる。
自分で買ったり、友だちに貰ったりして、いくつか食べてみた。
ちょっとボソボソ系、スパイスがっつり系、パウンドケーキ系など、同じシュトーレンなのに面白いくらい違うものだった。
結果 自作のシュトーレンが1番好き に落ち着く
そう 落ち着いたはずなのに、そこから数年後
私はレシピの変更に取り組むことになるのだった。
1番好きな自作のシュトーレンのレシピに手を加えてみたい。
いろいろな教室でインプットしたことを、シュトーレンを通してアウトプットしてみたくなったのだ。
そこから3回レシピを変え試作をして現在のレシピが完成した。
甘酒シュトーレンの誕生である。
生地に砂糖もバターも入れないで作るオリジナルレシピは、ちょぴり自慢できる私の宝物になった。
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