【連載小説】天国か、地獄か。祈りはどっちだ。#2-7
家に帰り、兄に電話。
「今日、香弥子さんから、バザールで兄ちゃんと話したことについて聞いた」
兄は「お!」と嬉しそうな声を挙げた。
『どんなこと話した?』
「なんか俺のこと心が美しくて真っ直ぐで純粋で、とか言うから。俺はそんなんじゃないのに。だからよくわからなくなって、また来週、と言って別れた」
兄は「そうか」と言い「それで?」と促した。
「兄ちゃんも俺のこと色々言っただろ。"俺とは正反対なんだ" とか」
『彼女が素直な気持ちを話してきたから、俺も素直に話したまでだ