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M ~狙われた名探偵~

名探偵は悲しげな表情を浮かべ、ゆっくりと、苦しげに語り始めた。

「難解に思えたこの事件、蓋を開けてみれば、実にシンプルなものでした。5番目に私が襲われた、、未遂ですが、、、、その時点で、、、犯人、、は自白したも同じなのです。」

一同が静まり返る中、警部補が口を開いた。

「では、君には犯人が、、」
「ええ、分かりました。未遂に終わりましたが、私を含めた被害者5人の共通点、これに気付けば、、、犯人、、、は誰か、そしてその動機もわかるはずです。」
「もったいぶらずに言いたまえ!」

ここ数日、事件解決のため寝食を忘れて捜査にあたっていた警部補は、いらだち気味に言い放った。

「ええ、、警部補、料理の基本はご存知ですか?」
「料理の基本?ええい、何が言いたいのだね!」
「失礼、、、基本の調味料はご存知ですよね?」
「ああ、それなら分かるが、、、」

憮然とした表情で警部補は応えた。

「砂糖、塩、酢、醤油、、、、、、ま、まさか!では犯人は君の、、、」

それ以上、警部補は口に出すことができなかった。

一時の沈黙の後、名探偵の隣に立っていた、美しく、凛とした顔立ちの女性が膝から崩れ落ち、むせび泣きながら告白した。

「ごめんなさい、、私、、私、、」

名探偵はうつむきながら、つぶやいた。

「みりん・・・」


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