古本卸を使う——古本を仕入れる4つの方法(4)
別冊 本の仕入れ方大全 3(4)
古本卸
最後の四つ目は、古本卸を利用することだ。いわゆる昔ながらの出版業界、古書業界ではそれほど広く知られてはいないかもしれないが、そうしたビジネスに取り組んでいる会社がいくつか存在する。
「古本 卸」などと検索すれば、すぐにいくつかのウェブサイトが見つかる。多くは、新たに古本の売り場を作りたい小売店や、閲覧用の本を置きたい飲食店やマンガ喫茶などに向けて、セットで販売している。主に、古本の買取を大量に行っている会社が運営しているか、そうした会社の在庫を買い取って営業しているようだ。それなりに規模のある古本売り場を、あまり手間をかけずに作りたい場合には、活用できるといえるだろう。
また、現状ではセットで量り売りのようなものが多いが、いずれ古本を単品で選ぶことができ、相場に対して卸価格で提供するようなサービスが立ち上がる可能性もあるだろう。そうなれば、個性ある本屋を開くための助けになるはずだ。
以上、本を卸値で仕入れるための方法を、新品は五つ、古本は四つに分類して紹介してきた。この別冊によって、少しは仕入れのハードルが下がることを願う。あとは、自分に合った方法がどれなのか、どのように組み合わせられるのかを、後に続く章を読みながら考えて、決めたら各所に問い合わせるだけだ。ぜひ活用して、自分のイメージに近い本屋を作っていってほしい。
※『これからの本屋読本』P155より転載
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