かっこいい職場の先輩の話
私が仕事で大きなミスをした。
詳細は伏せるが、食品関係の仕事で1番してはならないミスである。
お客様にはもちろん、会社の信用問題に関わる大きなミス。
そこまで大事なことなのだから、もちろん責任は自分だけじゃなく、数人が見逃して起きたことではある。
しかし最終チェックにいた自分が1番問題であるのには違いない。
結果的にはお客様もお怒りにならず、大事にはならずにすんだ。
しかし上に怒られる覚悟で謝りに行った。
上に謝りに行ったら、「確認が行き届かなかったこっちも悪かった、今後気をつけてね」
ものの数分で話はすんだ。
もちろん自分のしてしまった事実を認め、ものすごく反省した。
そこで私の心が苦しかったのが、私より1年上の先輩がボロクソに怒られたことである。
ここで私の職場の悪いところ、男女差別社会。
完全に私が悪いことであるのに、半端ないほど先輩が怒鳴られ、罵倒された。
近くで聞いている私は罪悪感で心がはち切れそうな思いだった。
事が落ち着いたあと、先輩に謝りにいった。
私のせいであそこまで怒られたのだから、無視されてもキツく当たられても仕方ない覚悟で謝罪。
すると先輩はこういった。
「大丈夫大丈夫!気にすんな!」
「過去に俺も○○してしまったりとか、ミスしたし。今後気をつければいい話だから。」
想像と違いあまりにも優しい言葉で、そう言われてしまうと泣きそうになった。
怒られても涙は出ないけど優しい言葉には弱い。
「泣くなよ〜。大丈夫大丈夫!」
「気持ち引きずったら○○(私)の良さがでなくなるから、明日から切り替えていこうな。」
私はミスして怒られることはなかったが、それ以上に深く深く反省した。
今後絶対にしないと心に誓った。
家に帰り、まだ落ち込みながら過ごしていると、先輩からラインが。
開いてみると、「カフェの1000円チケット」と「メッセージ」が。
「今日のこと切り替えて次出勤迎えてくださいね。次ミスせんかったら大丈夫。明日の休みリフレッシュしてな。何かあれば相談いつでも乗るから声掛けて。」
泣いた。
その場での言葉はもちろん、帰ってから私が落ち込んでいるだろうと気をかけてそんなことまでしてくれたのだ。
この先輩について行こうと思った。
今でもこのミスした日は忘れられないトラウマの日だが、それと同時に暖かい先輩の言葉も思い出す。
そんな、かっこいい先輩の話。