【サイコホラー映画】 THE NOVICE(ノーヴィス) ~認知の歪みがリアル過ぎる!イザベル・ファーマンの演技がヤバい~
正確にはホラー映画ではなく、スリラーの分類なのですが、もう内容はスリラーではなく、サイコホラーで間違いないでしょう。観ていて痛いし、辛いし、むちゃくちゃ血が出てるし、「止めて!誰か止めてあげて!」ってなる作品です💦
先ずは予告動画をどうぞ👇️
あら?お久しぶりです👍誰かと思えば、あのエスター・ファーストキルで主人公の謎の美少女を演じた、イザベル・ファーマンさんじゃないですか!
お!今回は、主演女優賞を受賞したりされていますね✨確かに以前のエスター・ファーストキルの様に、ロリータ系美少女の面影は微塵もありませんし、全く違う役柄です。
まあエスター・ファーストキル当時も、実は本人は、既に大人体型で、カメラワークや化粧、他の出演者にシークレットシューズを履かすなどして、子どもの様に見せる為、なかなかに工夫されていたそうですが、今回は素の自分で勝負を賭けて、主演女優賞を獲ったというところでしょうか?
さて今回は、ボート競技で一軍を目指す新入り(ノーヴィス)女子大学生という役柄なので、ほぼ世代的に無理な手を加える必要はありませんが、演じる内容ですね…こちらが凄い💦というか酷い💧
私も以前は精神科の病院に勤務していたのでわかるのですが、いわゆる「認知の歪み」というやつで、考え方や行動パターンが通常のそれと大きく解離して、社会生活上で問題を生じるまでに至っている…
でも、本人(イザベル・ファーマン)はそのことに気付かないというか、気付いていても、今の今までそのパターンで勝ち(生き残り)続けて来た訳で、それを訂正することは、かなり難しいだろう…ということ。
ただ、もしかしたら一流のスポーツ選手と呼ばれる人間の努力は、本当にこれ位頑張っているのかも知れないので、勝手にそのストイックさを、精神科系のご病気とは言えないのですが、精神科の定石である性行動の破滅的な思考パターンもエピソードとして(映画内容に)存在しているので、やはり治療的な介入が必要な状態まで到達していると考える方が無難でしょう。
また、劇中のイザベル・ファーマンのセリフの中でも、自分の今までの栄光(高校時代の成績など)とその成功パターンを恋人(同性で自分の担当教員)に説明することで、よりその歪んだ思考を強化して行くのですが、休養を勧めるその恋人に怒りから、ポロリと入院歴(おそらく精神科)を語ってしまいます。ここで多くの鑑賞者が、彼女の異常(病的)な努力の在り方の背景に気付けたと思います。
最終盤、もはや誰がどう考えても、休養が必要な身体、そして修復が必要な人間関係(チームというコミュニティと)の中で、本当に些細な練習試合(レース)を誘導的に一軍の先輩たち、そして同学年のライバル(奨学金レースの相手)を相手とした決戦の様に主人公は持ち込みます。
そして大雨の中、各々ボートを一斉に漕ぎ出しますが、直ぐに稲光と雷鳴がなり始め、チームメイトはルールを守り引き返して行きます。しかし、主人公とライバルだけは引き返さず…
このレースの後、彼女はある行動を取ります。そしてその行動が、今回のストイック過ぎる努力の結果だと考えるならば、余りに淋しく、何一つ学ぶことが出来ず、彼女の人生においてまた、これを繰り返す可能性が高いことを現しています。
ある人の評価コメントでは、「二時間ぶっ通しで、自傷行為を見せられたようだ」と不愉快に語る方もおられましたが、あながちそうかも知れません。
ならば、彼女の流す汗、流す血、流す涙、流す排尿(彼女はトレーニング中に気絶して失禁している)の全てが、「助けて」という彼女からのSOSの訴えに聞こえませんか?
また、主人公の家族構成などの話しは、イザベル・ファーマンのセリフになかったので、その遠因や原因を知る術はないのですが、病的なこだわりや、認知の歪みを修正する難しさ、それが周囲に与える影響などを理解するのに、本作は非常にわかりやすい作品だと思います。
まだ本作をご覧になっていない方は是非、本作をそして主人公を「キモい」とか「ヤバい」と断言せずに鑑賞してください。きっと彼女の苦しみが伝わって来るハズです。《彼女はチームメイトから「サイコ」(ヤバい奴)と呼ばれ、頑張っているのに嫌われていました。》
「しかし、イザベル・ファーマンの演技は、ヤバかったですね~」
あ、「ヤバい」は禁止ですからね💦
終わり