
バタリアンの街が好き
子どもの頃、本当に怖かった映画があった。ゾンビ映画🎦「バタリアン」である。この映画の本当に怖いと思ったところは、街という大きな単位が謎の存在(ゾンビ)に襲われるところである。
それ以前のホラー映画の舞台であれば、ナイトオブザリビングデッドの墓地周辺や、13日の金曜日のクリスタルレイク周辺など、いわば人気の無い土地に入り込んだ(集団からはぐれた)人間を獲物にしていたように思う。
その後、映画「ゾンビ」1978年のようにショッピングモールに立て籠り抵抗する街型のホラーも登場するが、街の秩序や機能が徐々に破壊されていく過程を恐怖として描いたものではない。
更に「13日の金曜日、ジェイソンニューヨークへ」に至っては、もはや街がデカ過ぎて、街の中の一部で狂暴な男が暴れているというレベルに過ぎない。要は場所が街になっただけで、街に住む人間が最も恐れる、街の秩序や機能の崩壊という部分が、恐怖の要素としてしっかりと含まれていなかったように思う。ジェイソンは、クリスタルレイク周辺にいてこそ、恐怖の象徴なのである。単独で街全体を破壊するには、やはり無理があるだろう。
最近では、この「街の秩序や機能の崩壊」の要素をしっかりと取り入れて、いや、むしろそこに焦点を当てた恐怖の描き方が主流になっていて、映画「バイオハザード」で言えば、多くのゾンビ(感染者)により、ラクーンシティが徐々に混乱していく様などは、記憶に鮮明ではないだろうか?
もちろん、子どもの頃の私がここまで理解してホラー映画を観るはずもなく、純粋に怖い場面(忘れられない場面)があったから覚えているだけなのだが、その場面こそ、街の秩序の管理者たる警察が、多数のゾンビに完敗(しかも秒殺)するシーンなのである。
最近ではYouTubeなどでも、ゾンビVS警察や、ゾンビVS軍隊のような仮想現実で作られた動画などもあり、お手軽に楽しめるようだが、やはり、私の子どもの頃に見た、映画バタリアンのゾンビが警察を次々に襲撃するシーン!これに勝る怖いものはないだろう。今観ても迫力十分である。
街型ホラーの元祖とも言える、映画「バタリアン」、これから始まるゴールデンウィークにお時間があれば、ぜひ観ていただきたい往年の名作ホラーである。
※ちなみに映画「バタリアン」は、第1作目以降の作品は凡作ですので、ご注意いただきたい。
終わり